スポーツをしている人や運動が苦手な人は、反射神経を鍛えてもっと運動能力を向上させたいですよね?
正直、反射神経が良いと何となく格好良いですし、反射神経が悪いと何となく頼りないというか「この人大丈夫?」みたいなネガティブな印象を持たれる事が多いと思います。
一般的に反射神経が良いと言えば、
・ボクサーがパンチを瞬時に避ける
・ドッチボールでボールに当たらないように逃げる、もしくはボールをキャッチする
・卓球の試合での壮絶な打ち合い
というふうに、スポーツにおいて瞬時に判断して的確な動きが出来る事をイメージしますよね。
スポーツをするうえで反射神経が良いほど、良いパフォーマンスが出来るため、スポーツ選手は反射神経を鍛える事に余念がありません。
一方で、
・ガラスの容器を床に落としそうになった時に、落ちる前にキャッチする。
・歩いていたら、突然横から車や自転車が飛び出してとっさの判断で避ける。
・火にかけたやかんに触ってしまい、すぐに耳に手をあてた。
といった反応も、瞬時に判断して、自分の身を守ったり、大惨事を防ぐ行動をとっています。
つまり、反射神経はスポーツの世界だけでなく、日常生活のひとコマの中にも必要な場面はたくさん出てきます。
そのため、反射神経を鍛える方法が分かれば、運動能力向上だけでなく、日常生活において怪我防止や危険からの回避といった事にもつながります。
そんな中、反射神経を鍛える方法は、テレビや他のブログでもたくさん紹介されていますが、一番効率良く反射神経を鍛えるにはあるたったひとつの事だけ意識すれば良いです。
誤解していただきたくないですが、反射神経を鍛えるにはトレーニングは必要です。しかし、その基本になる事はたったひとつしかないという事です。
この記事では、反射神経を鍛えるにあたって知るべき点、意識すべきひとつの点について解説して、それを踏まえたうえで反射神経を鍛える方法について紹介していきます。
反射神経とは何か?運動神経と誤解していませんか?
よく反射神経は運動能力と連動しているため、
「運動神経が良いから反射神経が良い」
「あいつは運動能力がないから反射神経は悪い」
と判断してしまいがちで、反射神経を鍛えるには運動神経を鍛えなくてはいけないと思っている人は多いです。
しかし、運動神経と反射神経は全く別物です。
子供の運動神経が悪い本当の理由とは?遺伝の影響はあるの?の記事でもお話していますが、運動神経は脳からの命令を筋肉に伝える神経の事です。
一方、反射神経は人の中に存在しません。
つまり、反射神経という神経は無く、この地点で運動神経と大きく異なります。
一般的に言われる反射神経とは、何かしらの刺激を受けた時に、脳で意識する前に刺激の信号を脊髄で反射させて直接筋肉に反応となって伝わる事を言います。脳で意識していないと言う事は無意識で動いている事になります。
そのため、運動神経との違いは、脳を介しているか介していないかの違いになります。
反射神経を鍛える前に知っておきたい事とは?
反射神経の場合、とっさの判断が必要になるため、刺激を受けた後に脳に伝わってから、筋肉に伝えるのは遅すぎです。
例えば、ドッチボールの場合、来たボールに対して避けるかキャッチするか考えていたらボールにぶつかりますし、火をかけたやかんに触って、脳で熱いと判断してから筋肉でやかんから手を離す行動を指示していると、火傷がどんどんひどくなります。
そのため、脳に刺激が伝わる前に、途中の脊髄で反射させて筋肉に情報を伝えています。
その流れは、ドッチボールの例で説明すると、
①感覚器官(目)(ボールが向かってくるのが見える)
②感覚神経(情報)
③脊髄(反射)
④運動神経(情報)
⑤運動器(筋肉)(ボールを避けるorキャッチする)
となります。
反射神経が良いとは、上記の5過程のスピードの事が速い、つまり情報伝達が速いという事になります。
この時、情報を伝えるスピードは神経繊維によって決められるため、神経繊維そのものを鍛えてやれば、理論上反射神経が良くなります。
しかし、神経繊維を鍛えるのは現実的ではありません。
では、一般的に言われる反射神経を鍛えるのはどうしたら良いのでしょうか?
反射神経を鍛える唯一の方法とは?
運動とは関係ありませんが、私は数年前、自動車工場のライン業務に携わっており、トランスミッションのバルブの組立の仕事をしておりました。
私は、もともと不器用な人間で工場勤務前までそれまでほとんどボルトを持ったことがありませんでした。
そんな私の担当が、バルブのボディーに長さの違うボルトを6箇所入れて、専用工具で締めて、さらにセンサーをつけて、電装プレートをつけてまたボルトを入れて専用工具で締めるという工程を担当していました。
正直、最初はボルトを入れる段階で、何本もボルトを床に落として怒られ、入れるべきボルトに違うボルトを入れたり、車種ごとに違うセンサーとプレートをつけるが、車種の切り替えでパニックなり、全く違う部品をつけたりと散々でした。
しかし、一日1工程を700回を1年間(約260日出勤)で18万4000回近くも同じ作業をしていたら、夜勤勤務で仕事中に少し寝てしまっても、無意識に手が勝手に動いて間違える事なく作業出来るまでになっていました(苦笑)。しかもライン業務であるため、確か1工程30秒くらいでやっていました。
なぜこの話しをしたかと言いますと、実は無意識で手が勝手に動いてがポイントになります。
反射神経は、無意識の中で瞬時に判断して動く事ですが、今のエピソードも全く同じことが言えます。
最初は出来なくても、意識してやり方や感覚を何回も練習して作業して身につけていけば、寝ていても(無意識に)作業が出来てしまうくらいになります。
私は10万回以上かかりましたが、反射神経を鍛える事も一緒で、鍛えたい内容と同じこと、同じ条件で意識して繰り返し反復練習する事が一番の近道になります。
最後に
反射神経を鍛える事だけでなく、勉強にしても、何か新しいことに取り組む時も、何回も同じことを反復学習する必要があります。
そのため、インプットした内容をアウトプットする作業をひたすら繰り返す事は、すべてにおいて基本になることが言えます。