卓球と言えば、何といっても激しいラリーの打ち合いとスマッシュが最大の魅力です。
そのため、カットマンをしている人のイメージとして、相手のミスを誘う、攻撃が下手くそなどネガティブな印象を持たれます。私も、中学生の時に卓球部に所属しており、最初はスマッシュで点を取るのが格好良いと思っていた。
そもそも最初からカットマン前提で卓球する人は考えにくく、適性を見込まれてカットマンをする人が多いと思います。(最近は事情が変わってきていると言われていますが、まだまだカットマンは少ないです)
私の場合は、はスマッシュが全く入らない人でしたので、入部して3ヶ月後にカットマンをすることになりましたが(苦笑)
最初は正直、嫌で嫌で仕方なかったのですが、カットマンをやっていくうちに段々とカットマンの魅力にとりつかれて楽しくなってきました。
この記事では、これからカットマンとして卓球をやっていく人向けに、カットマンの魅力と、カットが上手くなるコツと練習方法について解説していきます。
カットマンとは何か?
カットマンとは、相手からのボールに対して、下回転で返球する戦術をしている人の事を言います。
カットマンとは、主に守備型戦術と言われ、相手のミスを誘う事で点を取る方法と言われます。
その理由として、攻撃型選手がスマッシュなど速くて強いボールを打つときは、ボールに上回転をかける必要があるため、下回転をかけられると、なかなか強いボールを打つことが出来ないからです。
カットマンの魅力とは?
カットマンとして上手くなるには、カットマンの魅力を感じなければ、練習しても上手にはなりません。
最近こそ、カットマンの選手も増えてきて、攻撃型の選手もカットマン対策を十分してきていますが、それでも、卓球人口に対してやっている人はまだまだ少ないため、カットマンを極める事は、人と違う強みを持つことが出来ます。
以下の動画のように、カットマンは相手からのスマッシュに対して、何度もボールを切って下回転をかけて返していますが、急に攻撃に切り替わる瞬間があります。
つまり、カットマンはただ相手のミスを誘うだけでなく、相手からのスマッシュや強い打球に対してスピードを緩めて、相手からの絶好球を待ち、確実にいけるという時に一気に襲いかかるハンターのような魅力があります。
しかも、基本的に守備型であるため、相手のボールを拾いつつも攻撃出来るというパターンが出来れば、チームとしても個人としてもこれ以上ない武器となります。
逆に言えば、カットマンと言えども、攻撃が出来ないと通用しなくなっているのも事実なのです。
野球の大谷選手が打者と投手の二刀流のように、カットマンになるためには、守備と攻撃の二刀流をきちんと出来る人がこれから重宝されます。その資格があるだけで、カットマンも馬鹿には出来ません。
カットマンとして上達するための練習とは?
カットマンとして上達する練習方法として、「すべての球を下回転で相手コートに確実に入れる練習」と「フットワークを鍛える事」しかありません。これが出来なければカットマンとして成功する事は100%出来ません。
下回転で相手のコートに入れる
カットマンだから当たり前だろと思われますが、だからこそこれが出来なければ、先に進めません。後述のコツでも少しお話しますが、確実に相手コートに下回転で返すという練習をひたすら繰り返すしかありません。
フットワークを鍛える
先程紹介した動画を見ていただいたら分かりますが、カットマンは上下左右にもの凄く動きます。
相手がスマッシュを打つと思えば、後ろへ下がり徹底的にカットしますが、相手からネットすれすれにボールを返されたら、どうしようもありません。
そのため、左右だけでなく前後にも機敏に動けるフットワークが必要です。
フットワークを鍛えるには、相手に以下の図のように①~④のゾーンをランダムに打ってもらいながら、ノックをする事です。そうすることで、フットワークを鍛えるだけでなく、フォアとバック両方とも満遍なく出来るので、かなりお勧めです。
私の場合、相手は顧問の先生でしたが、先生が①~④に次々とノックしていき、スマッシュ、ツッツキ(下回転をかける)、カットと指令を仰ぎながら次から次へと決められた場所に返球していました。たまにスマッシュみたいなノックも受けていました。
ほとんど野球のノックと変わりませんが、ノックはフットワークを鍛えるのに適していると肌で感じました。
その後、ノックから、ラリーという形で相手も出来る限りレシーブする場所を変えてあげる事により、実戦に近い形でフットワークを鍛える事が出来ます。(自分はひたすら下回転のみで返すという制限を設けるとより良いです)
カットをするときのコツとは?
基本的に自然に下回転がかけられるまで徹底的に練習するのがいいですが、やはり早く上達するためにはそれなりのコツというものが存在します。
バックスイング
カットする時のバックスイングは、ワキをしっかりしめて、手首を立てて、ラケットの先端は上に向けて、肩の高さまで上げた方が良いです。
バックスイングが頭までいくと、動作が大きくなるので速いボールに反応できなくなります。
また、肩より下でバックスイングをすると、スイングが小さくなり、球に力が伝わらず、相手にチャンスボールをあたえてしまう可能性が高まります。
カットする打球点
カットをする時は、打球が頂点まで達して下降した直後に打つのが良いです。
あまりにも早いと、相手からのボールの回転を見極められずに、きちんとレシーブ出来ませんし、あまりにも低すぎるところでカットすると、次の動作への対応が遅れるため、ネットぎりぎりを狙われたり、相手からのチャンスボールに対応出来なくなるデメリットがあります。
さらに、低すぎる場合、それだけ動く範囲が広がるため、1回の差は大した事なくても、試合が進むにつれて、余計にスタミナが徐々に消耗されてしまいます。
スイングとインパクト
カットする時のスイングですが、ワキを開けずに、肘で斜め45度に切るようにしてください。
また、打球に当たった瞬間に体重移動をさせる(右利きフォアカットの場合は右足から左足に、右利きバックカットの場合は、左足から右足)事で、回転の切れと勢いを増す事が出来ます。
カットマンが選ぶラバーについて
ラケットに貼るラバーは、卓球の戦術に大きな影響を与える非常に大切な要素の一つです。
カットマンとして上手くなるには、技術だけでなくラバーの特性を知る事もあります。
カットマンに求められるもの
今でこそ、カットマンは認知されるようになりましたが、近年は促進ルールと言われ、卓球において試合時間を短縮するためのルールが設定されています。
促進ルールは、1ゲーム10分を超えるかつ、両者の得点が18点未満の時に採用されます。
促進ルールは、そのゲーム内だけ採用され、サービスは、2本交代から1本交代に変更になります。そして、レシーバーが、サービスを含めて13回のリターンに成功すれば、レシーバーの得点となります。
つまり、カットマンがサーブの時は、相手に13回レシーブされる前に得点をあげないといけなくなるため、守りつつも攻撃を仕掛けていかなくてはいけません。
この記事の前半でも言いましたが、カットマンと言えども攻撃をどんどん仕掛けていかなければ勝てなくなっているのが、今の卓球界の流れです。
最後に
最近の試合時間が無いスポーツは、どんどんと時間短縮化に動いています。やはり、スポーツの華は攻撃だと感じますが、カットマンとして成功すれば、攻撃、守備の二刀流という事になりますので、今後はそこにカットマンとしての付加価値が高まるような気がします。
そのため、カット技術を身につけるのは大変ですが、カットマンを選んだ人は、カットマンにしか味わえる魅力もたくさんありますので、しっかりと練習してスキルを上げていってください。