投手なら一度は達成してみたい記録に「ノーヒットノーラン」があります。
しかし、野球中継を見ていると、ヒットを1本も打たれていない時に、実況がノーヒットノーランの可能性があると言うのは分かりますが、ランナーが出塁しても、ヒットを打たれていないとノーヒットノーランの可能性があると言われると、ノーランの意味について疑問に感じる人も多いと思います。
また、ノーヒットノーランと混合しやすい完全試合という記録もあり、プロ野球ではノーヒットノーランは89回達成しているが、完全試合は15回しか達成してません。
この記事では、ノーヒットノーランの意味と完全試合との違いについてお話していきます。
ノーヒットノーランとは?
先発投手によるノーヒットノーランについて
以下の動画は、2014年5月2日、QVCマリンフィールドで行われた、「千葉ロッテ×埼玉西武」の試合で埼玉西武の先発岸孝之投手がプロ野球89度目のノーヒットノーランを達成した時の映像です。
この試合で千葉ロッテの選手は岸投手から1本もヒットを打つことが出来ずに試合に敗れました。
しかし、この動画を見て分かるように1回に井口選手に四球を与えてランナーを出しています。
ノーヒットノーランで勘違いしやすいポイントとして、ランナーが出塁したらノーランにならないのでは?
と思う人が多いですが、ノーヒットノーランのノーランとは、無得点の事でランナーの事ではありません。
そのため、ヒットを1本も打たれずにかつランナーをホームに生還させない無安打無得点試合の事をノーヒットノーランと言います。
つまり、この動画のように四球を1個与えて出塁しても得点は許していないため、ノーヒットノーラン達成となります。
四球以外にも死球、エラー、振り逃げ、打撃妨害、守備妨害で出塁を許しても、ヒットを打たれず得点を許さなければ、ノーヒットノーラン達成です。
ノーヒットノーランが認められるのは、無安打無得点試合で勝利する事で、引き分けで終わった場合は参考記録扱いになります。しかし、コールドゲームでのノーヒットノーラン達成は、本来投げるべき投球回数(イニング)を投げていないため、参考記録扱いとなります。
一方、メジャーリーグでは、ヒットを打たれない事がノーヒットノーランとしてとらえているため、仮にノーヒットでも四球で出たランナーが盗塁や暴投による進塁などによって得点を許しても、試合終了までヒットを許さなければノーヒットノーラン達成となります。
そのため、ノーヒットノーランを達成しても敗戦投手になる事もあります。
継投によるノーヒットノーランについて
以下の動画は、2017年6月14日、東京ドームで行われた、「巨人×福岡ソフトバンク」の試合で巨人が山口俊→マシソン→カミネロの3投手による継投ノーヒットノーランを達成した時の映像です。
継投でのノーヒットノーランはなかなか見れない記録ですが、複数の投手の継投による場合はチームの記録として公認されますが、個人記録としては認められません。
社会人や高校などのアマチュア野球では個人記録のみ公認され、継投による達成は参考記録扱いとなります。
メジャーリーグでは継投によるノーヒットノーランは公認記録として認められ、継投に参加した投手全員がノーヒットノーランに記録達成者として記録が残ります。
完全試合とは?
完全試合とは、ノーヒットノーランの記録の一部で、ランナーを一人も許さずに試合に勝利する事です。
そのため、ノーヒットノーランよりも価値が高いですが、完全試合は、エラーや暴投、打撃妨害、守備妨害などが許されないため、野手による影響も少なからず大きくなります。
プロ野球で最後に達成したのは、1994年5月18日、福岡ドームで行われた、「巨人×広島」の試合で、巨人の槇原寛己投手です。
23年間完全試合達成がないため、いかに難しい記録かが分かると思います。
完封とは?
完封は完全試合やノーヒットノーランに比べると比較的達成しやすい記録ですが、先発投手が試合終了まで投げ切り、0点で抑える事を言います。
最後に
ノーヒットノーランも完全試合も記録を達成するのはかなり難しいですが、テレビや現地観戦で目にかかる事があればかなりラッキーです。
しかし、現地観戦で自分の応援しているチームがノーヒットノーランをくらってしまった場合は、さぞかし複雑な気持ちになる事は間違いないですが・・・。