プロ野球のペナントレースに大きな影響を与える外国人選手。
毎年、各チームは助っ人外国人選手を獲得して、自分のチームに足りない部分を補強しています。
特に、日本人選手に比べてパワーがある外国人選手は、長距離砲が少ないチームにとって喉から手が出るほど欲しいですし、ピッチャーにしても日本人に少ない剛速球投手や独特の軌道を持つ球種を投げる投手は重宝されます。
もちろん、プロ野球において、一軍で外国人を何人も使えるわけでなく、外国人枠として制限がかけられています。
外国人枠がないと、外人選手ばかりのチームも出てきてしまい、日本のプロ野球として成り立たない部分が出てくるからです。(駅伝でも外国人枠がなければ、ほとんどのチームは外人ばかりを起用しますよね)
日本人が外国人に比べて劣っているわけではありませんが、パワーという部分ではどうしても不利に働いてしまいます。(ホームランや球速など)
そのため、外国人枠の関係で優良外国人が二軍に置かざるを得ない状況になる事があり、どのチームも外国人枠を考慮したうえでチーム編成をしております。
この記事では、意外と知らない外国人枠のルールについてお話していきます。
外国人枠の基本ルールは、一軍登録4人まで。
プロ野球が好きな人ならば、ほとんど分かっていると思いますが、外国人枠は一軍で4人まで登録する事が出来ます。
そのため、いくら外国人が5人いて、全員が優良外国人で一軍で使える戦力だとしても、一軍の外国人枠は4人までであるため、1人は必ず二軍に行くことになります。
現在は支配者登録に外国人枠は無いため、二軍には何人外国人が所属していても問題はありません。
外国人によっては、一軍での試合出場が条件で契約を結んだ場合もあるでしょうし、せっかくキャンプやオープン戦で結果を残しても二軍スタートになる事もあるため、モチベーション低下に繋がってしまいますので、いかに外国人選手の扱いを上手にするかが、ペナントレースを左右するといっても過言ではありません。
[意外]外国人枠は、「野手4人」「投手4人」はNG。
外国人枠は一軍で4人までとなっているが、実は野手4人または投手4人の編成はNGです。
そのため、外国人枠は、
①野手3人まで+投手1人まで
②野手2人まで+投手2人まで
③野手1人まで+投手3人まで。
の3パターンに限定されます。
野手4人または投手4人が駄目な理由は明確になっていません。
実際に、野手の場合、スターティングメンバー9人中4人が外国人で埋まる可能性もありますし、投手の場合、先発ローテ(一般的には5~6人)の中に外国人投手が4人埋まる場合もありますし、中継ぎで4人外国人投手務める事になります。
僕の考えでは、野手または投手4人外国人で埋められると、スターティングメンバーの外人化、ローテーションの外人化など、中継ぎ投手の外人化などが進み、日本人とのバランスが取れなくなるのでは?と勝手に思っております。
外国人枠に当てはならない外国人選手とは?
先日、阪神タイガースのメッセンジャー投手が国内FA権を得たため、来シーズンから日本人選手扱いとなり外国人枠から外れる事になりました。
メッセンジャー投手は、国内FA権を得てすぐに、阪神で現役生活を終えると話をしていたので、来年メッセンジャー投手が阪神に残留すれば、阪神は実質外国人選手を最大5人(野手5人、投手5人以外)一軍登録する事が出来ます。
そのため、すべての外国人選手が外国人枠に当てはなるわけではありません。
以下に外国人枠に当てはならない条件と選手について以下にまとめてみました。
外国人選手が国内FAを得た場合
先ほどのメッセンジャー投手の例がこれに当てはまります。
この条件で外国人枠から外れた外国人は9人しかいません。
国内FAを得る条件は、1シーズンに1軍登録日数が145日以上であれば、国内FA権取得年数が1年とカウントされ、8年を満たすと、国内FA権を得る事が出来ます。未達成のシーズンは未達成のシーズンの合算で145日を超えたら1年とカウントされます。
簡単に言えば、プロ野球の一軍で活躍し続けた外国人選手は日本人扱いになりますよ。という事です。
選手 | 出身国 | チーム |
郭泰源 | 台湾 | 西武 |
タフィー・ローズ | アメリカ | 近鉄→巨人→オリックス |
アレックス・ラミレス | ベネズエラ | ヤクルト→巨人→DeNA |
アレックス・カブレラ | ベネズエラ | 西武→オリックス→ソフトバンク |
ブライアン・シコースキー | アメリカ | ロッテ→巨人→ヤクルト→ロッテ→西武 |
許銘傑 | 台湾 | 西武→オリックス |
ホセ・フェルナンデス | ドミニカ | ロッテ→西武→楽天→オリックス→西武→楽天→オリックス |
ジェイソン・スタンリッジ | アメリカ | ソフトバンク→阪神→ソフトバンク→ロッテ |
ランディ・メッセンジャー | アメリカ | 阪神 |
契約前に中学校・高等学校・短期大学・専門学校に通算3年以上、大学に4年以上在学していた選手
プロ野球選手になる前に、日本で教育を3年または4年以上受けていれば、日本国籍を持っていなくても、入団時から外国人枠が適用されません。
主な該当選手は以下の通りです。
選手 | 出身国 | 出身学校/大学 | チーム |
陽岱鋼 | 台湾 | 福岡第一工業 | 日本ハム→巨人 |
李杜軒 | 台湾 | 岡山県共生高等学校 | ソフトバンク→ロッテ |
仲尾次オスカル | ブラジル | 白鴎大学 | 広島 |
日本に帰化した選手
もともとは日本国籍で無かったが、日本に帰化した事で外国人枠から外れた選手もいます。
選手 | 出身国 | チーム |
松元ユウイチ | ブラジル | ヤクルト |
最後に
外国人枠は4人までという事は知っていても、具体的な外国人枠のルールについて知っている人は少ないのではないでしょうか。
長打力が弱いチームは外国人野手4人使いたいと思いますし、投手が弱いチームは、海外で実績のある外国人投手を4人使いたいと思っても、外国人枠のルールではそれは出来ません。
そのため、各チームいかに外国人枠を上手く利用するかが非常に大事になってきます。
外国人投手4人使いたい、外国人野手4人使いたい。実際、1年を通して12球団を見ていると、そういう思いをしている現場監督やコーチは極めて少ないです。 シーズンは長いです。投が弱い時期もあれば打が弱い時期もあります。でも最終的には投打のバランスを取った外国人選手の1軍昇格をしています。投打のバランスを取った外国人補強のほうが現場スタッフや選手の間では不公平なく喜ばれています。また現場の外国人選手にも公平性が保たれます。1軍での外国人枠をあと2名拡大して投手3名、野手3名まで認めてほしいですね。そうなるともっとパワーとスピードを堪能できるプロ野球が見れると思います。