野球

球速を上げたいピッチャー必見!腕のしなりを深くする方法とは?

「野球部や草野球でピッチャーをやっているけど、投げ込みをやりこんでも、なかなか球速が上がらないなあ・・・」

「球速がもう少しアップすれば、いつも打たれているバッターを抑えられるかもしれないのに・・・」

と悩んでいるあなた。

球速アップのために、投球フォームやリリースポイントを変えたりしても、球速アップに繋がらずに諦めていませんか?

投球フォームは足の上げ方やリリースポイントなど選手一人一人で異なり、ピッチャーによって合う合わないがあり、必ずそのフォームやリリースポイントで投げたからといって球速アップに繋がるとは限りません。

自分に合わないやり方で投げても、怪我やパフォーマンス低下につながる可能性もあります。

しかし、140km/h超えのストレートを投げるようなハイパフォーマンスを発揮している投手に必ずといって共通している項目があります。

それは腕のしなりが深いということです。

ピッチング動作ではリリース直前に腕がしなるのですが、そのしなりが深いほど球速が上がりやすくなります。

腕のしなりを深くするためには全身の連動性が重要であり、その連動性を身につけるためには前提条件として全身の柔軟性が欠かせません。

 

この記事では、球速を上げたいピッチャーのために、腕のしなりを作る方法について詳しく解説していきます。

この記事を読んで全身の柔軟性を高めることの大切さを理解していただき、選手のみなさんが意欲的にストレッチに取り組めるようになれば幸いです。

パフォーマンスアップに欠かせない腕のしなり

速いストレートを投げるためにはリリース直前にできるだけ腕のしなりを深くする必要があります。

逆をいうと、腕のしなりが浅い選手はいくら頑張って腕を振ったとしても球速を上げることは難しくなります。

海外のある論文でも、腕のしなりが浅いと球速が遅くなるともいわれています。

論文は英語で記載されていますが、翻訳すると腕のしなりの深さが球速に大きく影響することが記載されております。

引用元: https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1941738109338546

 

投球フォームの写真を見ると腕だけを大きくひねり、しなりができているように見えると思いますが、実はこの腕のしなりは腕だけの動きではなく、胸郭・股関節など全身が可動することで形成されるトータルの動きになります。

腕だけでしなりを作ろうとすると、肩にかかる負担がとても大きくなり、ケガにつながる危険性がとても高くなるので注意が必要です。

しなりに関わる全身の可動域

ではこれから腕のしなりを作るにはどのような可動域が必要なのか部位ごとに見ていきましょう。

肩の可動域

この可動域は腕自体がどのくらいしなっているかという角度になります。

肩の外旋角度といいますが、ピッチャーではこの可動域が広い選手が多く、腕のしなりをうまく作れていない選手は肩以外の柔軟性に問題がある場合がとても多いです。

胸椎の柔軟性

肩関節以外で重要な部位の一つ目は胸椎です。胸椎は首と腰の間にある12個からなる背骨のことです。

上の写真のように深い腕のしなりを作るためには胸椎の伸展といってしっかり胸を張る動きが必要になります。胸の張りが弱いとしなり角度の総和が小さくなり、腕の加速が弱まってしまい、リリースポイントでボールに伝わる力が半減してしまいます。

胸椎の可動域が小さくなっている選手はとても多く、特にクランチ系の腹筋トレーニングを過度に行っている選手は腹筋が固くなり、その筋肉の固さがストッパーとなり、胸椎伸展を制限してしまう場合があるので注意が必要です。

胸郭伸展の可動域があるかはブリッジでチェックすることができます。

胸椎の動きが悪いと体を持ち上げて体幹を反らすことができません。ピッチャーにとってブリッジは必ずできてほしい動きなので、ぜひ挑戦してみでください。

肩甲骨の柔軟性

肩甲骨はさきほどの胸椎(胸郭)上に浮いているように位置しています。

今回のしなりの動きに関しては、胸椎をきちんと動かすことができれば、肩甲骨もそれに追従して柔軟に動きやすくなるので、胸椎の可動域を高めることに重きを置くようにしましょう。

軸足股関節の可動域

腕がしなるフェーズでは軸足が後ろに大きく引ける形になります。このとき、腸腰筋などの股関節のつけ根にある筋肉が固くなっていると腕から軸足が連動した全身でのしなりが形成されにくくなってしまいます。

股関節つけ根は普段から入念にストレッチするようにしましょう。

ステップ足お尻周りの可動域

最後にステップ足です。しなりをスムーズに行うためにはステップ足を軸足にしてキャッチャー方向への回転運動をしっかり行う必要があります。

そのためにはステップ足のお尻周りの柔軟性が必要になります。大殿筋などのお尻周りにある筋肉が固いと回転運動を途中でストップさせてしまい、腕のしなりも浅くなってしまいます。

股関節はさきほどの軸足の柔軟性だけでなく、ステップ足の柔軟性も高めるようにしましょう。

まとめ

球速を上げようとして無理やり腕をひねるとケガのリスクが高くなってしまいます。今回紹介した全身の柔軟性を高め、効率よくパフォーマンスアップへつなげましょう。

腕のしなりを深くするために必要な柔軟性

・肩関節
・胸椎
・肩甲骨
・軸足の股関節つけ根
・ステップ足のお尻周り

この記事の寄稿者

芹田 祐さん

野球選手に対するパフォーマンスアップを目的としたトレーニング指導。

野球のコツと理論サイト運営。

保有資格
・医科学修士(島根大学大学院医学系研究科整形外科講座卒業)
・国家資格 理学療法士
・日本理学療法士協会 認定理学療法士
・国際認定シュロスセラピスト

 

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