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プロ野球交流戦2016から見るセ・リーグとパ・リーグのあり方

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2016年のプロ野球が開幕して早くも1ヶ月が過ぎ、今年も5月31日(火)~6月19日(日)の日程で「日本生命セパ交流戦」が開催されます。

プロ野球交流戦は、毎年のようにセ・リーグとパ・リーグで意見が持ち上がり、ファンの間でも賛否両論になるなど、プロ野球のあり方を考える上で、かなり注目されています。

この記事では、プロ野球ファン歴15年の私が、プロ野球交流戦2016の概要とそこから分かるセ・リーグとパ・リーグの在り方について思っている事を話していきたいと思います。

また、この記事を読んで、プロ野球ファンの方もそうでない方も、もっとプロ野球について深く考えるきっかけになればと思います。

プロ野球交流戦とは

プロ野球ファンの方はいまさら説明する内容ではないかもしれませんが、交流戦の意味が分からないと、この先の内容が分からないため、最初にお話します。

通常プロ野球は、セ・リーグ(巨人・阪神・広島・中日・ヤクルト・DeNA)とパ・リーグ(ソフトバンク・日本ハム・西武・ロッテ・楽天・オリックス)に分かれ、それぞれ同一リーグでペナントレースを競い、各リーグのチャンピョンチームが、7試合制の日本シリーズを戦い、日本一を決めます。

交流戦は、普段ペナントレース前の練習試合やオープン戦でしか対戦がない、セ・リーグとパ・リーグがペナントレース期間中に対戦をおこないます。この交流戦の成績はそのままペナントレースに加算されます。

勿論、交流戦期間中は同一リーグ内の対戦は無いため、日によってはどちらかのリーグが全勝全敗する事もあります。

また、交流戦が終了した地点で、同一リーグ内で全球団貯金(勝数-敗数>0)または全球団借金(勝数-敗数<0)になる可能性もあります。

交流戦の歴史

交流戦が始まったきっかけ

交流戦は2005年に第1回が開催されましたが、もともとパ・リーグ側からの提案で、2005年以前からずっと言い続けていました。一方、セ・リーグ側が多くのテレビ放映権及び現地観戦の観客数増加が見込める巨人戦の試合数が減るという事で、拒否する状況が続いていました。

また、当時は「実力のパ、人気のセ」という言葉がプロ野球ファンの間で常識であるくらい、当時はパ・リーグとセ・リーグでは人気の差がありました。そのため、パ・リーグ側は、人気のセ・リーグを利用して、パ・リーグ全体を盛り上げたいという思惑があったと思います。

こうしたなか、交流戦開催に踏み切った背景で一番大きかったのは、2004年に当時パ・リーグに所属していた大阪近鉄バファローズが球団消滅に伴って、11球団の1リーグ制にしようとしていたNPB(日本プロ野球機構)にストライキを起きるなど、問題になったプロ野球再編問題でした。

このプロ野球再編問題によりセ・リーグの一部の球団が歩み寄りを見せたため、開催に踏み切りました。

プロ野球交流戦のルール

2005年-2006年

セ・リーグとパ・リーグの各球団が、相手リーグの球団とそれぞれ6試合ずつ(ホーム3試合、アウェー3試合)戦い、全36試合制で戦いました。

2007年-2014年

セ・リーグとパ・リーグの各球団が、相手リーグの球団とそれぞれ4試合ずつ(ホーム2試合、アウェー2試合)戦い、全24試合制で戦いました。

2014年だけ、通常パ・リーグだけで採用されている指名打者制度が、セ・リーグの本拠地でのみ使用できました。大きな理由として、交流戦のマンネリ化、存在意義が問われる中で、試行錯誤した結果、このような制度を採用したと思われます。

2015年

セ・リーグとパ・リーグの各球団が、相手リーグの球団とそれぞれ3試合ずつ(ホーム3試合またはアウェー3試合)戦い、全18試合制で戦いました。

そのため、対戦カードのうち、ホームゲーム3試合を行った場合は、2016年はアウェーゲーム3試合を行う事になっており、全球団がホーム9試合、アウェー9試合になるように日程が組まれました。

本来は、同じ年に各対戦カードでホームアンドアウェー方式をとるのが不公平にならずに済みますが、18試合制ですと、各対戦カードの試合数が3試合になるため、ホームとアウェーを1と2に分けると試合日程が大変組みづらいため、上記の形で収まりました。

また、この年で大きく変わった事は、2014年までは交流戦優勝チームを決めていたが、2015年はリーグ対抗戦の形をとり、「最高勝率」という形での表彰になります。

リーグ対抗戦とは、交流戦期間中のセ・リーグ全球団とパ・リーグ全球団のうち、合計勝数が上回ったリーグが勝者という形をとります。

そのため、賞金も・リーグ対抗戦で勝者したリーグのチーム内で、交流戦の順位が上のほうから賞金の分配が行われました。(例えば、勝率では12位でもリーグ対抗戦では勝者なので、リーグ対抗戦6位チームとして賞金をもらうことが出来ます)

プロ野球交流戦2016概要

プロ野球交流戦2016は、昨年と同じ形式で行われます。大きく変わる事は、交流戦の対戦カードのホームチーム、アウェーチームが入れ替わるだけです。

2016年の交流戦日程は以下の通りです。

曜日ヤクルト巨人阪神広島中日DeNA
5月31日日本ハムオリックス楽天ロッテソフトバンク西武
6月1日日本ハムオリックス楽天ロッテソフトバンク西武
6月2日日本ハムオリックス楽天ロッテソフトバンク西武
6月3日オリックス日本ハム西武ソフトバンク楽天ロッテ
6月4日オリックス日本ハム西武ソフトバンク楽天ロッテ
6月5日オリックス日本ハム西武ソフトバンク楽天ロッテ
6月7日楽天西武ロッテ日本ハムオリックスソフトバンク
6月8日楽天西武ロッテ日本ハムオリックスソフトバンク
6月9日楽天西武ロッテ日本ハムオリックスソフトバンク
6月10日ロッテソフトバンク日本ハム楽天西武オリックス
6月11日ロッテソフトバンク日本ハム楽天西武オリックス
6月12日ロッテソフトバンク日本ハム楽天西武オリックス
6月14日ソフトバンク楽天オリックス西武ロッテ日本ハム
6月15日ソフトバンク楽天オリックス西武ロッテ日本ハム
6月16日ソフトバンク楽天オリックス西武ロッテ日本ハム
6月17日西武ロッテソフトバンクオリックス日本ハム楽天
6月18日西武ロッテソフトバンクオリックス日本ハム楽天
6月19日西武ロッテソフトバンクオリックス日本ハム楽天

交流戦が抱える問題とは

2005年から開催されている交流戦ですが、開始当初から様々な問題点が出てきました。途中で何度も廃止案が出ましたが、紆余曲折しながらも今年で12回目を迎えます。ここでは、交流戦が抱える問題点について思う事をお話していきます。

ペナントレースの価値の低下

世間一般的に交流戦反対意見で多かったのが、ペナントレースの価値を低下させてしまうと言う事です。

2005年と2006年は各チーム交流戦が36試合制で行われていたため、交流戦の期間が6週間もあり、ペナントレースのうち、セ・リーグは24.7%(36/146)、パ・リーグは26.5%(36/136)が交流戦で占めるため、交流戦の結果がペナントレースの結果に与える影響が大きすぎるという意見が出てきました。セ・リーグとパ・リーグでペナントレースの試合数が異なるのは、2006年まではパ・リーグはプレイオフ制度(現在でいうクライマックス)が導入されていたからである。

そのため、ペナントレースの価値を少しでも高めるために、2007年から2014年は24試合制、2015年からは18試合制に削減されました。

私、個人的な意見としましては、確かに2005年と2006年の交流戦は正直長すぎて、早く通常のペナントレースに戻ってほしいという気持ちは持っていました。

しかし、2007年から2014年の24試合制は正直、微妙でした。まず、各カード2連戦しかおこなわず、日程が最大で4連戦だったため、日程の間延び感が半端なく、交流戦の試合数のわりには交流戦の日程が長かったです。

また、ペナントレースの終盤に近づくと、どうしても雨天中止の影響により、10連戦以上の日程を組まされて、クライマックスや日本シリーズに間に合わせていました。そのため、交流戦の日程を短くして間延び感をなくせば、ペナントレース終盤の負担をを軽減出来ると思うからです。

そういう意味では、2015年からの18試合制は良い案だと思います。

もちろん交流戦は有ったほうが良いと思っているので、交流戦の試合数削減反対意見が噴出した時の気持ちはよく分かりますが、日程の事を考えるとあながち悪いとは言えないような気がします。

パ・リーグが優勢

勝敗

過去の交流戦の通算成績を見ましても、パ・リーグがセ・リーグを圧倒しているのが分かります。

チームリーグ勝率
福岡ソフトバンク167104110.616
北海道日本ハム150122100.551
千葉ロッテ147121140.549
巨人14712690.538
中日140132100.515
阪神136136100.500
埼玉西武13813860.500
オリックス13613880.496
東京ヤクルト13214370.480
東北楽天12715140.457
広島114158100.419
横浜DeNA10517070.382

セ・リーグが弱いというよりは、セ・リーグとパ・リーグの制度が違うのが一番の理由だと思います。

セ・リーグとパ・リーグの大きな違いはパ・リーグは指名打者制度(守備につかず打つ専用の人)が設けられている事です。

投手はバッターボックスに立つ必要がないため、普段バッティング練習をする必要性がほとんどありません。そのため、キャンプ、練習、試合中もピッチングに集中出来るため、良い投手が育ちやすいという特徴があります。また、バッターも良い投手を打とうとするため、必然的にバッティングのレベルが上がるという、レベルアップの良い循環が自然に行える環境がパ・リーグと言えます。

セ・リーグの野球は、野球としての本来の形といいますか、投手は第9の野手とも言いますので、投手でも攻撃中は攻撃に専念する姿勢が問われます。高校野球は、エースで4番と言う言葉が存在するので、投手も攻撃に手を抜かないのは分かりますが、プロ野球の場合は、半年間、ほぼ毎日試合するなかで、エースで4番という存在は体力面の部分で無理ですし、対戦バッターや投手のレベルが高いため、両方共超一流であることは非現実的です。(北海道日本ハムの大谷選手はまさしくそれをやり遂げようとする一人ではありますが)

また、投手は9番バッターとする事が多く、基本的に攻撃に関して全く期待されていない事も大きいです。そのため、投手の前にランナーがたまると、バントを要求されたり、最悪代打を出されたり、またランナーがいないときはわざと見逃し三振したりと、投げ終わっても攻撃の事も考えないといけないし、ピッチングの事も考えないといけないなどかなり忙しく、普段の練習、試合の臨み方がパ・リーグの投手と違います。

しかし、セ・リーグの投手のレベルが落ちているから、バッターも大きくレベルが上がらないという考えではなく、パ・リーグの環境が選手のレベルを上げるのに良い環境であるためセ・リーグがそのスピードに追いついていないのと、交流戦を積み重ねてもパ・リーグがどんどん勝っているので、暗示ではないですが、精神的に嫌なイメージしかないと感じているかもしれません。

観客動員数

観客動員数に関しては、表は載せていませんが、毎年セ・リーグの主催ゲームの方がパ・リーグの主催ゲームよりも多いです。しかし、交流戦とペナントレースを比べた場合は、パ・リーグの方は交流戦の方が多く、セ・リーグはペナントレースの方が多いという結果が実際に出ています。

そのため、セ・リーグからすれば交流戦があるせいで、ペナントレース全体の観客動員数が減るため、試合数を削減したいという思惑はあるようです。

オールスター、日本シリーズの新鮮さが下がる

交流戦が始まった当初は、普段見られない対戦カードが見る事が出来たので、かなり興奮したのを覚えていますが、さすがに12回目を迎えますと、新鮮さがないため当初の興奮ほどないのはいか仕方ないと思います。

そのため、オールスターや日本シリーズといった特別な試合も、昔ほど興奮しなくなっているのは事実です。

純粋なセ・リーグとパ・リーグのチャンピョンチーム同士が対戦する日本シリーズは、普段対戦する事のないカードという戦いにものすごく新鮮さを感じて興奮していましたが、交流戦が定着すると、日本シリーズの対戦カードが決まっても特に何も感じる事がなくなった寂しさは感じます。

個人的に2001年の「大阪近鉄-ヤクルト」の日本シリーズの組み合わせは、交流戦が当時あれば何の新鮮さも感じませんが、やたら興奮して特別どちらのファンでもないのですが、全試合見たのを覚えています。

私は、交流戦自体はプロ野球全体を盛り上げるという部分で賛成ですが、一方で、滅多にお目にかかれないプレミアム感も欲しいという何ともいえない気持ちになります。

交流戦から考えるセ・リーグとパ・リーグのあり方について

2004年のプロ野球再編問題で、1リーグに統一しようというNPBの動きに対して、ストライキを実施するなど当時は社会的な問題になりました。

交流戦の歴史でもお話しましたが、このプロ野球再編問題がひとつのきっかけで交流戦が開催されました。

実際に交流戦が始まっても、様々な意見が飛び交い現在の形になっていますが、私はそろそろ交流戦の存在意義について、もう一度真剣に話した方が良いような気がします。

交流戦が無くなる事は当分無いと思いますが、最近の流れだと交流戦を無くす方向に進んでいるような気がしてならないからです。

実際にパ・リーグは長年、セ・リーグの影に隠れるような形で存在していましたが、地域密着型を打ち出し、ファンサービスを充実させたり、いち早くクライマックスシリーズ(当時はプレイオフ)を取り入れ、交流戦もパ・リーグの提案ということもあり、改革をどんどん行ってきました。

セ・リーグは良くも悪くも昔と変わらずというイメージがどうしても強かったのですが、クライマックスシリーズの導入や、パ・リーグに続く形でファンサービスの充実をはかり、あのカープ女子を生み出す結果をもたらしています。

交流戦の結果をみると、セ・リーグの物足りない部分ばかり注目されていますが、交流戦はセ・リーグパ・リーグのあり方を考える丁度良い機会だと思います。

今年も交流戦が大いに盛り上がる事を期待しながら、野球観戦を楽しみたいと思います。

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