夏を迎えると、学校プール、市民プール、レジャー施設内のプールを利用する人が増えます。
そのため、6月~8月は一年の中で最もプール熱に感染しやすい時期です。
プール熱は一般的に抵抗力の弱い子供が感染することがほとんどで、全患者のうち5歳以下の子供が6割を占めますが、感染力が強いため大人でも1割の人は感染しております。
大人の場合、プール熱に感染した子供からうつる事がほとんどですが、実は子供と大人では同じプール熱に感染しても微妙に症状が異なります。
そのため、体調を崩した時に、夏風邪と思ったら実はプール熱だったという事もよくあります。
この記事では、プール熱に感染した時の子供と大人の症状の違いについてお話していきます。
プール熱とは
プール熱は、夏風邪の一種で、正式名称は、咽頭(いんとう)結膜炎と言い、子供が感染する事が多い病気です。
プール熱は、アデノウィルスによる感染症です。アデノウィルスは、鼻やのどから侵入して扁桃腺や気道に感染させてしまいます。
アデノウィルスはプールなど水がある環境で多く生息し、プールで感染する確率が高い事からアデノウィルスによる感染症をプール熱と名付けられました。
また、アデノウィルスは49種類の型があるため、一つの型にかかってから完治しても、別の型で再びかかってしまう事があるため、インフルエンザに比べて繰り返し性が高いので注意が必要です。
子供がプール熱に感染した時の症状とは?
一般的にアデノウィルスに感染すると、普通の風邪と違い、高熱が4-5日ほど続き、さらに目や胃腸にも悪い症状が出ます。
具体的に言えば、発熱、扁桃腺の張れ、頭痛、腹痛、下痢、目の充血、目やになどがあります。
これらの症状が出た場合、速やかに病院で見てもらうのが良いです。
大人がプール熱に感染する理由
プール熱は基本的に子供がかかる事がほとんどですが、アデノウィルスは感染力が非常に強いため、大人が感染してしまう事も普通にあります。
特にお子さんを持つ親御さんは、子供がプールで遊んでいて、何らかの原因でアデノウィルスを体内に持ち帰り、親にうつしてしまうというケースが一番多いです。
大人がプール熱に感染した時の症状とは?
大人がプール熱に感染した場合の症状は、38~40度の高熱、のどの腫れや咽頭炎、目やに、結膜炎になる事が多く、人によって併発する時と、いずれかの症状が出る場合に分かれます。
症状だけ見ますと、子供と大きな差はありませんが、発熱や結膜炎よりはのどの腫れや咽頭炎になる事が多いです。
また、大人は抵抗力があるため、それぞれの症状は子供に比べて軽い事が多く、回復期間も早いのが特徴です。
一方で、まれにプール熱の感染が原因による胃腸炎、急性呼吸器感染症、出血性膀胱炎、流行性角結膜炎などの重い症状が出る事があるのも特徴です。特に高齢者の方は抵抗力が弱くなるため、注意が必要です。
プール熱に感染したときの対処法
プール熱に感染した場合、アデノウィルスを退治する薬は無いため、高熱が出たら、解熱剤と水をこまめに飲み安静するのが一番良いと思います。
また、扁桃腺や気道にウィルスが感染してしまいますと、食欲がかなり落ちるため、体にも喉にもやさしいおかゆや雑炊を食べて、栄養ドリンクを補給すると良いと思います。
また、プールから出ると、目が真っ赤に充血する事があるかと思いますが、いわゆる結膜炎です。これもアデノウィルスによる影響によるもので、目が充血し、涙が止まらなくなります。この場合は目薬を指すなどで対処するしかありませんが、不安であれば眼科を受診することをお勧めします。
プール熱に感染しないためには
プール熱に感染しないためには、基本中の手洗い、うがいが一番有効です。アデノウィルスそのものは市販の石鹸でほぼ殺菌する事が出来ます。
また、プール等で遊んだ場合は、必ず目の洗浄を入念にしてください。ただの結膜炎と油断していますと、元々がアデノウィルスであるため、目からの感染を防ぐためにも気を抜かないでください。
さらに、タオルなども共用で仕様するのをやめて、洗濯物も感染者の人とそうでない人に分けてしたほうが良いです。
最後に
世間一般の多くは、インフルエンザ予防には積極的ですが、アデノウィルスに関する予防に関しては若干意識が無いのかなと感じます。
大人がプール熱に感染すると、完治するのに時間を要するため、会社に迷惑をかけてしまいます。そのため、冬にインフルエンザ対策だけでなく、夏のプール熱対策もしっかりおこなう必要があります。
それでも、プール熱に感染した場合は会社を休むのが賢明です。