10kmマラソンに出場する目的は大きく2つあります。
一つは、初心者がハーフマラソンやフルマラソンに挑戦する前の土台作りとして出場します。
初心者が10kmマラソンを完走するための練習方法とペース配分とは?
もう一つは、マラソン中級者や上級者が、ハーフマラソンやフルマラソンのタイム向上のために出場する事があります。
フルマラソンの記録を更新するには、10kmマラソンのタイムを縮める事は非常に有効です。
私は、10kmレースに出場する機会は多くありませんが、フルマラソンのために、10kmの距離を全力で走る練習をしっかり取り組んでおります。
私が、初めて10kmの距離に挑戦したときは55分かかりました。ここから50分切りを達成するまでに時間は要しましたが、今では、45分前後で走る事が出来ます。
この記事では、10km50分以上かかるランナーがタイムを5分~10分以上縮めるための方法についてお話していきます。
10kmマラソンのタイムを縮めるメリットとは
マラソンに挑戦するほとんどのランナーは、少しでも良いタイムを出したいと思っております。
10kmマラソンのタイムを縮める事が出来れば、ハーフマラソンやフルマラソンの記録向上に繋がります。
まずは、もう少し具体的に10kmマラソンのタイムを縮めるメリットについてお話していきます。
全力疾走で自分の殻を破る事が出来る
10kmマラソンは、ハーフマラソンやフルマラソンに比べて距離が短いため、普段のジョギングより速いペースで走る事が出来ます。
私の10km、ハーフ、30km、フルの通過ベストタイムと1kmあたりのペースをみても一目瞭然です。
*通過ベストタイム(NET TIME) | ペース | |
10km | 0:43:42 | 4分22秒/km |
ハーフ | 1:33:42 | 4分26秒/km |
30km | 2:25:44 | 4分51秒/km |
フル | 3:38:50 | 5分11秒/km |
*通過ベストタイムは、出場したすべての大会で、各距離を通過したタイムが速いものを掲載
私がもし10kmの全力疾走ペースでフルマラソンを走ると、3時間4分25秒というタイムになるため、いかに10kmのタイムが速いかお分かりいただけると思います。
つまり、自分の限界に挑戦して全力を出し切ることで、自分の内に秘めたパワーを全開に解き放たれて、開放感、爽快感を味わう事が出来ます。
精神論になりますが、自分が思っている壁を乗り越えると自信に繋がり、次へのステップアップに繋がります。
LT値を高める事で、フルマラソンのペースを上げられる
LT値とは無酸素性作業閾値の事で、有酸素運動をするのが限界になって乳酸が発生して、一気に疲労が溜まる状態の事を指します。
マラソンは有酸素運動で、持久力、スタミナが求められるため、酸素を取り込まなければいけません。
そのため、マラソンを走る時は、有酸素運動から無酸素運動になるのを防がなくてはいけません。
一方、短距離走は、瞬発力が求められるため、無酸素運動になります。
LT値は、無酸素運動をする事で引き上げる事が出来ます。
つまり、10kmはハーフマラソンやフルマラソンに比べて、非常にペースを上げやすいため、ペースを上げて走る練習をすれば、LT値を引き上げてくれます。
当然、走るペースを上げれば上げるほど、有酸素運動から無酸素運動に変化するため、LT値を引き上げる事は、自然にフルマラソンのペースを上げても息切れが起こりにくいと言う事になります。
10kmマラソンのタイムを5分~10分縮める方法とは
10kmマラソンでタイムを5分~10分縮めるためには、1kmのペースを30秒~1分速く走らなくてはいけません。
ハーフマラソンやフルマラソンで、1kmのペースを30秒~1分縮める事は、かなりきついです。
しかし、10kmの場合、1km30秒~1分縮める事は、決して難しいことではありません。
ここでは、現在の10km自己ベストタイム別に5分~10分タイムを縮める方法についてお話していきます。
60分以上
10kmのタイムが60分以上かかるランナーは、おそらくマラソンをやり始めた方、ジョギングがまだ習慣化出来ていない方が多いです。
そのため、全力疾走以前に、10kmを走れるだけの脚がまだ出来上がっていない可能性が高いため、速く走る練習よりも、走る時間、回数を増やして、ジョギングを習慣化していくことに専念するのが良いでしょう。
詳細は、以下の記事をご覧ください。
たまに年齢のせいにされる方もいますが、60歳を過ぎたランナーでも、私より速い人は山ほどいますし、そのランナーのほとんどはマラソンを日常生活の中に取り組んでいます。
マラソンを習慣化していなくても10kmは走れますが、マラソン経験が少ない方は、60分を切るにはマラソンを習慣化していかなくてはいけません。
55分~60分
55分から60分のランナーは、55分切りを目指している方と50分切りを目指している方に分かれると思います。
10km55分と言うことは、1km5分30秒のペースで走る必要があります。
1km5分30秒ペースで10km走ろうと思うと、マラソンを習慣化している方は十分対応出来るスピードですが、どうしても対応来ない方もいます。
その場合は、普段のジョギングの前に、ストレッチをして体をほぐして、少し体を動かした後に、全力疾走の8割の速さで50m~100mを最低2回走ってみてください。(一般的にウインドスプリントと言います。)
回数や距離はその日の体調を考慮すれば良いですが、ジョギング前に全力疾走をする事で、体が一気に暖かくなって代謝が上がるのもそうですが、体を速いスピードで走る事に慣れさせるのが目的です。
全力疾走の8割と言うのがキーポイントで、100%を出してしまうと、怪我もそうですが疲れてその後のジョギングに大きな影響を与えるため注意しましょう。
これを習慣化していけば、55分を切る事は難しくありませんし、これだけで50分を切る事も決して難しくありません。
50分~55分
50分~55分のランナーは、50分を切る事を目標にしていることでしょう。
10km50分と言うことは、1km5分のペースで走る必要があります。
1km5分というのは、思っている以上にしんどいスピードでありますが、練習次第で簡単に目標達成することが出来ます。
50分を切るためには、55分切りと同じように、ジョギング前にウインドスプリントを取り入れる事が大事になってきます。
そのため、最初に軽いジョギングをして体を十分ほぐした後に、ウインドスプリントを3~5本おこない、5~10kmのペース走をおこないます。
ペース走の設定は1km5分00秒~5分30秒の間でおこない、後はひたすら繰り返して練習をおこない、徐々に1km5分に近づけていくイメージです。
速さに慣れるだけでなく、実際の10kmマラソン大会当日の調整と同じやり方を練習でおこないます。
この練習は、マラソンをやり始めた方にはきついかもしれませんが、1km5分はそこそこ速いため、最初から体があったまった状態で、体がいつでもスピードを出せる状態にする事に慣れる意味もあります。
45分~50分
50分を切りますと、40分切りと行きたいところですが、ここから一気に難易度が高くなります。
そのため、まずは45分を切る事をひとつの目標としましょう。
45分を切るには1km4分30秒を切る必要があります。
50分を切れている地点で、ある程度のスピードは身に着いていると思うので、普段のジョギング、ジョギング+ウインドスプリント以外にもやっておいた方がいいものがあります。
それは、階段ダッシュ、坂道ダッシュ、100m走×複数(全力疾走)です。
すべてに共通して言えることは、短期間で大きな負荷をかけることができて、無酸素運動である事です。
無酸素運動をすることで、LT値が上がり、ペースアップしても有酸素運動を継続する事が出来ます。
つまり、10km走のペースを上げても後半失速しない体つくりのために、無酸素運動をおこないます。
回数や時間に決まりはありませんが、あまりやりすぎても怪我に繋がりやすいため、自分の体力、体調をしっかり考慮しておこなうようにしましょう。
最後に
私の経験から言いますと、特別な練習をしなくても45分を切る事は十分可能です。
45分を切れるようになりますと、ハーフマラソンのサブ100(1時間40分未満)やフルマラソンのサブ4(4時間未満)での完走も十分狙う事が出来ます。
勿論、10kmのタイムだけで、ハーフマラソンやフルマラソンのタイムは一概に言えない部分はありますが、10km走を強化する事は、長距離を速く長く走るには欠かせない要素のひとつであるため、決して馬鹿にすることはできません。
是非、ランナーの皆さんは、10kmのタイム向上に努めてみてはいかがでしょうか。