50m走のタイムは、さまざまな場面で運動能力の判断材料にされる事があります。
例をあげると、運動会においてチーム分け、徒競走の走る順番、チーム対抗リレーのメンバー選出、地域のスポーツイベントにおいてのチーム分けなどがあります。
私が学生時代の時は、50m走の平均タイムを超えるか超えないかで、運動能力を判断されてきたので、当時は平均タイムを超える事ばかり考えていました。
そのため、当時は体力テストが近づくと、平均タイムを上回る事だけを考えていました。
なぜ50m走のタイムが運動能力の判断材料にされやすいかと言いますと、走る事はスポーツをする上で最も重要かつ最も基礎にあたるからです。
野球やサッカー、バスケットボール、ハンドボールといったスポーツは50m走のタイムで有利不利が出やすいです。また、50m走は無酸素運動のため、心肺機能による影響も大きいため体力がある、俊敏な動きが出来ると判断されるからだと思います。
そのため、50m走のタイムが遅いとどうしても周りからは運動が苦手というイメージを持たれてしまいます。
この記事では、50m走が苦手な方に、少しでもコツとポイントを抑えてもらい、一秒でも速く走れるようになり、可能であれば平均タイムを超える事が出来れば幸いです。
50m走の平均値(2014年度)
文部科学省が2015年10月11日に公表した、体力・運動能力調査によりますと、2014年度の年齢別全国の立ち幅跳びの平均は以下のようになりました。
年齢 | 男性 | 女性 |
平均値 | 平均値 | |
6 | 11.52 | 11.86 |
7 | 10.58 | 10.95 |
8 | 10.02 | 10.40 |
9 | 9.56 | 9.93 |
10 | 9.21 | 9.45 |
11 | 8.85 | 9.16 |
12 | 8.42 | 8.98 |
13 | 7.78 | 8.66 |
14 | 7.43 | 8.64 |
15 | 7.38 | 8.82 |
16 | 7.25 | 8.82 |
17 | 7.14 | 8.82 |
18 | 7.38 | 9.06 |
19 | 7.36 | 9.02 |
学生の方は男性も女性も中学生から高校生までは平均タイムはさほど変わらないので、男子学生は7秒50、女子学生は8秒50を切れば平均に近いタイムを出すことが出来ます。
成人の方の記録は調べる事が出来ませんでした。そのため、この記事の読者が成人の方はなかなか目標タイムが設定しずらいと思いますが、男性は17歳で、女性は14歳でピークをむかえているので、20-30代男性の方は7秒50~8秒00、20-30代女性の方は9秒00~9秒50を目標にしたら良いかと思います。
40代以上の方は50m走のタイムはそこまで気にする必要は無いと思います。走る事にこだわりたい方は、長距離走を意識するのが良いかと思います。
50m走のタイムの決めてと対策
50m走を速く走るためには、50m走のタイムを決めるポイントを知る事が最優先事項になります。逆に言えば、タイムを決めるポイントさえ分かれば、それぞれの対策を練る事で、短期間で結果を出すことは十分可能だと思います。
スタート
概要
大半の方は分かると思いますが、50m走の一番の肝はスタートにあります。スタートダッシュに失敗すると取り返す事はほぼ不可能です。そのため、スタートに対する意識を強く持ってください。
スタートには、クラウチングスタートとスタンディングスタートの2種類あります。体力テストでは特に指定はないと思いますので、自分のやりやすい方を必ず見つけてください。そして、徹底的にスタート練習をしてください。
個人的にはスタンディングスタートを勧めます。なぜなら、クラウチングスタートはスタンディングスタートに比べてスタートダッシュが出来るメリットがありますが、クラウチングスタートは慣れるまでに時間がかかるのと、強い脚力と、スタート後に重心が崩れないように体幹を鍛えておく必要があります。また、両手を地面にしっかり付ける必要があるので、腕にも体をしっかり支える力も必要になります。
特に運動が苦手な方にとってクラウチングスタートはハードルが高いので、スタートの構えが指定されない限り、スタンディングスタートにしておいた方が無難だと思います。無理してクラウチングスタートにして、バランスを崩してスタンディングスタートより加速が遅くなっては何の意味もないからです。
対策
スタンディングスタートをする時は、少しだけ腰を下に落とし、やや前傾姿勢で構えてください。そうすれば、スタートの1歩目がスムーズに出ます。重心が後ろだと、同じ走力でも後ろに重心がある分、後ろに引っ張られる形になるため遅くなります。
また、どうしてもスタートの合図に反応が遅れる方がいます。2人以上で練習出来る方は、相手に手を叩いてもらい、手を叩いたら走るという練習をしてみてください。私も友達にタイミングを変えて手を叩いてもらい、どのような状況でもスタートに反応出来るように練習しました。
ゴール直前の意識
概要
スタートダッシュに成功して、50mを全速力で走るわけですが、ここで意外と知らない大きな落とし穴があります。私もフルマラソンで経験がありますが、ゴールが近づくと無意識にスピードが遅くなってしまいます。人は50m走と言われたら、50m以上は走らないという意識が働いてしまい、ゴール直前で無意識にブレーキをかけて流してしまう傾向があるようです。
また、50m走は100m走と違い、最大加速に到達する前に終わってしまうという特性があります。そのため、余計にゴールを超えすぎないようにという意識が働くかもしれません。
対策
実際の種目は50m走ですが、これを60m走と思って走ることです。ゴール地点を思いっきり駆け抜けて、周りからどこまで走るんや!とつっこまれるぐらいの意識が大事だと思います。これだけでもタイムを上げる事は出来ると思います。
ストライド×ピッチ
概要
走るスピードを決めるのは「ストライド×ピッチ」で決まります。ストライドとは1歩あたりの移動距離、ピッチは1秒間で何歩動くかを表します。速く走るためにはストライドを広くとりピッチを上げる事が重要になります。
対策
ストライドを広く取るには、股関節の柔らかくするのが一番重要であるため、股関節周りをしっかりストレッチしてください。また、ピッチを上げるためには、もも上げダッシュをなどのトレーニングも必要ですが、肩甲骨周りをストレッチしてください。そうすると、腕の振りがスムーズにいきます。腕を振ると嫌でも足が前に出るため、腕の振りもタイムを上げる重要なファクターになります。
最後に
実際に50m走は普段からの運動習慣が一番出やすいので、上記を実施してもすぐに効果が出るとは限りません。仮に運動神経が良くても体重が重たかったらどうしても平均値を上回るタイムを出す事は厳しいです。
自分のタイムを更新する事の方が大事だと思いますので、まずは、自己記録更新目指して頑張ってください。
スライドじゃなくてストライドでは。
いなけんさん。
ご指摘ありがとうございます。
確かにスライドでは無くストライドでした。