私が子供の頃、新学年になって一番最初の体育の時間におこなわれたスポーツテストが嫌で仕方ありませんでした。50m走やハンドボール投げ、柔軟、踏み台昇降などの結果がランク付けされるごとに、運動神経が無いというレッテルを貼られ続けました。ところが、ほとんどの種目が平均もしくは平均以下であるなかで、唯一平均を超えた種目が「20mシャトルラン」でした。
シャトルランは、スポーツテストの中でも特にきつい種目であるため、ほとんどのクラスメイトは苦手意識を強く持っていましたが、私はシャトルランだけが良かったので違う意味で注目を浴びていました。
この記事では、私がなぜシャトルランが得意だったのかについてお話しますが、完全に私見になりますので、ひとつの参考にしていただけたら幸いです。
シャトルランの概要
目的
有酸素運動の能力を測定する指標に使われます。私が普段しているマラソンにおいてもビルトアップに繋がるため、シャトルランの要素は重要です。フルマラソンに関してはまた別の記事でお話します。
ルール
20mの間隔で引かれた2本の線をまたぎながら往復を繰り返し、何回線を踏めるかでスコアが決まります。スタートの合図で、ドレミファソラシドの音源が流れ(私の親が地域のスポーツテストで実施した時は、メリーさんの羊だったそうですが、特に決まりはないみたいです)、高いドがなるまでにスタート地点と反対側の線を踏まなければいけません。
高いドが鳴り終わるとまた低いドからスタートし、今いる線と反対側の線に向かって走り、高いドが鳴るまでに線を踏まなければいけません。これを繰り返していくわけですが、音源スピードは段々速くなります。
2回連続で失敗した地点で失格となり、その前に成功した時のスコアが採用されます。1回失敗した時は、次のドレミが鳴っていても、失敗した線を踏んでから次の線に行かないといけません。次の音源がなっているからといって途中で引き返すのは失格です。
例えば75本目に失敗した時に、音源は76回目が流れていても75本目を踏んでから76本目に行かなければいけません。76回目の音源が終わった段階で76本目の線を踏まないと失格で、この時のスコアは74になります。
一番注意しなければいけないのは、線の踏み忘れです。意外と踏んだつもりで失格になると、大抵は笑いものにされるので気をつけましょう。私も一度線の踏み忘れで痛い目にあいました。
シャトルランの平均値(2014年度)
シャトルランの平均は、文部科学省が2015年10月11日に公表した、体力・運動能力調査によりますと、2014年度の年齢別全国の立ち幅跳びの平均は以下のようになりました。
年齢 | 男性 | 女性 |
平均値 | 平均値 | |
6 | 18.87 | 15.03 |
7 | 28.91 | 22.70 |
8 | 39.41 | 28.95 |
9 | 46.81 | 36.98 |
10 | 54.90 | 43.95 |
11 | 63.60 | 50.44 |
12 | 73.13 | 53.40 |
13 | 90.80 | 61.89 |
14 | 97.69 | 60.66 |
15 | 87.96 | 51.87 |
16 | 93.66 | 53.48 |
17 | 94.54 | 52.84 |
18 | 83.16 | 44.80 |
19 | 83.86 | 45.06 |
20-24 | 75.45 | 38.10 |
25-29 | 67.75 | 34.28 |
30-34 | 59.61 | 30.41 |
35-39 | 55.34 | 28.15 |
40-44 | 50.21 | 26.53 |
45-49 | 44.83 | 25.34 |
50-54 | 40.76 | 22.63 |
55-59 | 33.18 | 19.10 |
60-64 | 28.39 | 15.00 |
シャトルランの平均値を超えるコツとは
シャトルランは、有酸素運動に対する能力をみるため、テスト前までにジョギングなどの有酸素運動を十分やれば記録は伸びますが、一方でコツを掴むだけで大きくスコアが変わる種目だと思います。
走るスピード
シャトルランの音源は、最初は遅すぎるぐらいゆっくりスタートします。そのため、最初は遅すぎてリズムが狂う事があります。正直、最初は歩いても間に合いますので、経時変化で、歩く→早歩き→軽いジョグ→ジョグに移行する形が理想です。この時、出来るだけ音源が終わると同時に線を踏めるスピードで走ってください。(例えばファが鳴る時にちょうど線と線のど真ん中に着くようにスピードを合わせる)
最初から速く走って、次の音源がなるまで待つ人がいますが、音源が主導権を握っている以上、音源に合わせたスピードで走るのが一番体のロスが少なくすみます。車でもエンジンがあたたまる前に運転したり、運転中も急発進や急ブレーキをかけると車に大きな負荷がかかり、燃費も悪くなります。人の体においても同じことが言えます。
ターン
スピードと関連してきますが、段々スピードが速くなると、ターンが大きなポイントになってきます。私もマラソン大会で折り返し直前にもかかわらずスピードをゆるめられないため、折り返すときに急ブレーキをかける形で折り返して脚に負担がかかるだけでなく、勢いが付きすぎて大きくターンしてしまうため、タイムロスしてしまいます。
そのため、シャトルランは、中間地点(10m)で速度を最大にして、後半は少しづつスピードを落とすようなな走り方が良いと思います。猛スピードで線に向かうと、ターンするときに大きく回るため、余計な距離を走る事になるのと、急ブレーキをかけるため脚への負担が大きくなります。ターンは持久力と関係ないので、持久力に自信がない人はターンを意識するだけでも記録は伸びます。
練習
私が初めてシャトルランを経験した時は、線を踏み忘れて20回くらいで失格になりました。それが悔しくて悔しくて、次のシャトルランをおこなう前に対策を練ったのを覚えています。
持久力は有酸素運動しないと鍛えられないのは当たり前ですが、実際に公園で大体20mくらいの間隔で線をひき、最初はスローペースで、徐々にスピードを上げて走る練習をひたすら繰り返しました。ダッシュ練習もしましたが、どちらかと言うと徐々にスピードをあげる練習(ビルトアップ)をメインにしました。
持久力がかぎを握るマラソンでもビルトアップ走を取り入れて練習をするため、ビルトアップをする事が一番効率が良いです。