関西屈指の難コースとして有名な奈良マラソン。
エントリー合戦も激しいですが、コースもアップダウンが多く、お世辞にもタイムを狙うには不向きな大会と言えます。
奈良マラソンに出場されるランナー、エントリーを考えているランナーは、奈良マラソンを走るうえで、コースの特徴、注意点、攻略法、大会の様子など知っておきたいポイントはたくさんあると思います。
この記事では、2017年に完走した経験にもとづいて、奈良マラソンのコースを中心に詳しく解説していきますので、奈良マラソンを走るうえで参考にしていただけたら嬉しいです。
コースマップ、高低差図
奈良マラソンは、ならでんフィールド(鴻ノ池陸上競技場)をスタートし、平城宮跡、奈良公園(東大寺前)を通過した後は、南下して天理市に向かい、そこを折り返し再びならでんフィールドに戻るコースとなっています。
奈良マラソンのコースのみどころは東大寺と天理教協会本部になりますが、途中の白川大橋は奈良マラソン最大の難所と言われるぐらいきついアップダウンが待ち構えております。
次に、奈良マラソンを走るうえで大切なポイントについて解説していきます。
奈良マラソンを走るポイント
スタート直後
スタート直後から下り坂になるため、スピードの出し過ぎと他のランナーとの接触に十分気を付ける必要があります。
下り坂が終わり市街地に入るとしばらくはフラット基調のままレースが進みます。
奈良公園(8km~10km)
©allsports.jp
5kmの折り返し地点通過後は、奈良公園に向かいます。
8km過ぎたあたりから上り基調となり、コース右手に鹿が見えるようになります。
奈良公園内は、10kmの部と時間帯がかぶるのと道幅が狭いので、正直かなり走りにくく、少しイライラしながら走っていました。
写真は手前はフルマラソンのランナーで、奥は10kmランナーでした。
奈良公園を通過したあたりから、徐々に自分のペースで走る事が出来ると思うので、10km過ぎまではとにかく飛ばさない事がポイントです。
奈良公園通過後は、しばらく下り基調でレースが進みます。
15km~22km(白川ダム、白川大橋),28km~32km(白川大橋復路)
15km過ぎから長い上り坂が続き、その後は18kmから22kmまで白川大橋を通過しながら長い下り坂になります。
復路(28km~32km)でも同じコースを通るので、往路でしっかりとコースの傾斜などをしっかり体に覚えさせ、復路の戦略を考えるようにしましょう。
僕は15km過ぎからの上り坂よりも白川大橋の上りがきつかったですが、前半は相当抑えて走ったので、タイムはほとんど落ちませんでした。
23km~28km(天理市)
©allsports.jp
天理市に入り、久しぶりに市街地を走るので気持ちが少し楽になります。
この区間は比較的フラット基調ですが、天理市から再び奈良市に戻る時はアップダウン地獄が始まるので、ここで気持ちを整えましょう。
しかし、天理教協会前の道路は道幅はかなり狭いので、状況によってはかなり走りにくいと思います。
33km~ゴール
33km以降は往路と違うコースを走りますが、往路は緩やかな下り基調でもし復路で走る場合はゆるやかな上りになるのですが、33km以降は細かいアップダウンが多く、ランナーを相当苦しめます。
38kmあたりに奈良公園を再び走るが、10kmランナーがいない分道幅は気にはならないです。(道幅を気にするどころではないと思います・・・)
そして、最後のならでんフィールドに向かう最後の上り坂。
最後の最後までランナーを苦しめますが、この上り坂を超えたらゴールなので、最後の踏ん張りどころになります。
奈良マラソンは同じコースを走る区間が長いので、前半走ったコースはそのまま後半のコースということになることを意識するだけでも、前半から飛ばす事がどれだけ後半に悪影響を与えるか分かると思います。
下りの後は上り、上りの後は下り、走り方の切り替えも大事ですが、とにかくメンタル面でもしっかり切り替えられるかが奈良マラソン攻略の大きなカギを握っていると思います。
収容関門時間
奈良マラソンの収容関門はゴールを含めて全部で10箇所あります。
NO. | 場所 | スタートからの距離 | スタートからの制限時間 | 次の関門までの距離 | 次の関門までの制限時間 | 次の関門までに走るべきの1kmペース配分 |
スタート | 5.4km | 1時間00分 | 11分06秒/km | |||
1 | 朱雀門前 | 5.4km | 1時間00分 | 5.2km | 44分 | 8分18秒/km |
2 | 奈良交通高畑操車場前 | 10.6km | 1時間44分 | 5.1km | 41分 | 8分02秒/km |
3 | 窪之庄町南交差点東側 | 15.7km | 2時間25分 | 4.3km | 31分 | 7分12秒/km |
4 | 白川大橋北側三又路 | 20.0km | 2時間56分 | 5.8km | 48分 | 8分16秒/km |
5 | 和楽橋北詰 | 25.8km | 3時間44分 | 4.7km | 38分 | 8分05秒/km |
6 | 白川中央通路南門 | 30.5km | 4時間22分 | 3.9km | 32分 | 8分12秒/km |
7 | 山村町バス停東 | 34.4km | 4時間54分 | 3.6km | 31分 | 8分36秒/km |
8 | 奈良交通高畑操車場前 | 38.0km | 5時間25分 | 1.6km | 12分 | 7分30秒/km |
9 | 登大路自動車駐車場前 | 39.6km | 5時間37分 | 2.595km | 23分 | 8分51秒/km |
ゴール | ならでんフィールド | 42.195km | 6時間00分 |
奈良マラソンは1km8分を切るペースで走り続けないと、収容関門にひっかかる可能性が高いです。
後半にアップダウンが多いので前半飛ばしてしまいがちですが、前半飛ばすことで後半脚にきて、その状態で後半に挑むと急激なペースダウンを引き起こすため、前半は落ち着いていつも走るペースより遅く入る事を強くお勧めします。
奈良マラソンのデータ
気象状況
奈良マラソンは、会場が内陸部に位置しているのと12月開催されるので、朝はかなり冷え込みます。
しかも、9時スタートであるため、とにかくコンディションをしっかり整えておく必要があります。
寒いとどうしてもトイレが近くなりますが、スタート前の水分補給、補給食はしっかりおこない、スタート後、最初のトイレに行けばいいくらいの気持ちでゆとりをもつ事が大事です。
過去の気象状況は以下の通りです。
天気 | 7時(会場入り時間帯) | 9時(スタート直後) | 12時 | 15時 | |
奈良マラソン2017 | ☀ | 3.2℃ | 6.3℃ | 8.7℃ | 12.0℃ |
奈良マラソン2016 | ☀ | 2.7℃ | 4.4℃ | 8.0℃ | 9.0℃ |
奈良マラソン2015 | ☀ | 6.7℃ | 9.2℃ | 14.9℃ | 15.0℃ |
奈良マラソン2014 | ☀ | 1.3℃ | 2.7℃ | 4.6℃ | 5.3℃ |
奈良マラソン2013 | ☀ | 4.8℃ | 6.8℃ | 10.1℃ | 9.4℃ |
中間タイム(平均タイム)
マラソン情報雑誌ランナーズにて毎年7月号(5月下旬発売)にて、全日本マラソンランキングが発表されています。
全日本マラソンランキングでは、各大会ごとに中間タイム(完走ランナーの中で中間順位のランナーのタイム)が記載されており、奈良マラソンのタイムの実態は以下の通りです。
奈良マラソン2013は完走ランナーの平均タイムとなっております。
男性ランナー | 女性ランナー | 全ランナー | |
奈良マラソン2017 | 4:31:33 | 4:50:25 | 4:36:11 |
奈良マラソン2016 | 4:28:08 | 4:49:17 | 4:33:18 |
奈良マラソン2015 | 4:31:04 | 4:51:44 | 4:36:46 |
奈良マラソン2014 | 4:25:41 | 4:49:26 | 4:30:23 |
奈良マラソン2013 | 4:28:10 | 4:49:58 | 4:32:12 |
奈良マラソンのコースは難易度が高く、正直なところタイムにはあまり期待が出来ません。
それでも、奈良マラソンに出場したランナーの平均タイムは、市民ランナーのフルマラソン平均タイムよりは良いので、ランナーのレベルはやや高いように感じます。
フルマラソンの平均タイムについてもう少し詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
フルマラソン完走率
出走者 | 完走者 | 完走率 | |
奈良マラソン2019 | 11977 | 11137 | 93.0% |
奈良マラソン2018 | 11906 | 11106 | 93.3% |
奈良マラソン2017 | 11964 | 11032 | 92.2% |
奈良マラソン2016 | 11928 | 11137 | 93.4% |
過去の奈良マラソン完走率は想像以上に高い印象を受けます。
しかし、大阪マラソンや神戸マラソンに比べると完走率が悪いので、それだけ難しいコースと言えます。
奈良マラソンのエントリー成功のコツとは?
奈良マラソンは応募開始30分以内には締め切られるため、普通にエントリーしようとしてもほぼ無理です。
しかし、あるコツを掴めたら奈良マラソンの出場出来る確率がぐんと上がるので、是非以下の記事をご覧ください。
最後に
奈良マラソンは全体的にアップダウンが激しく、実際に走った時もかなりしんどく、正直記録を狙える大会ではないです。
しかし、難コースだからこそ完走した時の喜びは、他のマラソン大会と比べると強かったので、やりがいはあると思います。
エントリーも難しく、コース攻略の難しい奈良マラソンに出場する機会があれば、是非チャンレンジしてみてください。