マラソン

第37回黒部名水マラソンのコースの特徴を動画付きで解説

富山県黒部市で毎年5月に開催されている「黒部名水マラソン」。

5月に開催されるので、ランナーにとって暑さが気になるのではないでしょうか?

そのため、黒部マラソンに出場されるランナー、エントリーを考えているランナーは、黒部マラソンを走るうえで、コースの特徴、注意点、攻略法、大会の様子などしっておきたいポイントはたくさんあると思います。

この記事では、2018年に出場した経験をもとに、黒部名水マラソンのコースについて解説していきます。

黒部名水マラソンコースの攻略法について

コースマップ、高低差図

第37回黒部名水マラソンホームページより

黒部名水マラソンのコースは、前半は細かいアップダウンを繰り返しながら宇奈月方面に上り基調で進んでいきますが、宇奈月中学校(約23.5km地点)で折り返してからの後半は、黒部川の河川敷を通りながら、黒部川の下流までずっと下り基調です。

僕もそうでしたが、多くのランナーは精神的にかなり優位な気持ちで走れるのではないでしょうか。

レース全体に言える事は、後半にペースが急激に落ちるランナーほど、ネガティブスプリットで入る事を強く勧めます。

僕は実際に黒部マラソン2018を完走しましたが、初めからネガティブスプリットで行くと決めていました。

なぜなら、後半がいくら下り基調でも、前半から飛ばすと、ただでさえ上りで脚が疲れて重くなりやすい状態になって、下りで脚への負担がマックスになり、途中で脚が動かなくなる経験をしているからです。

結果として、ネガティブスプリットが功を奏し、この大会で自己記録を更新しました。

それでは、各ポイント毎に詳しく解説していきましょう。

5km地点

                                      ©allsports.jp

4.4kmに給水箇所がありますが、黒部マラソンは天気が良いと全体を通じて日陰が少ないので、序盤からしっかりと給水をとるようにしましょう。

その後、180℃向きを変えて5km付近からはあいの風とやま鉄道の沿線に沿った道を通り、黒部駅方面に向かいます。

この付近は序盤で人混みが多く、道幅がそこまで広くないのでとにかく人混みをかき分ける事はせず、流れに乗る形で落ち着いて走りましょう。少しいけば多少道幅が広くなるのでそこまでは我慢が必要です。

 12km~13km

この区間は動画でもみてわかるように、とにかく左折、右折が多く、実際に走ってみて、捻挫や足首を捻ったりする可能性が他の区間より高く感じたので、とにかく落ち着いて走る事が大切です。

体に刺激を入れるという意味では良いのかもしれませんが、くれぐれも怪我に注意が必要かと思います。

 15km~23km(折り返し地点)

この区間はとにかく上りが続くため、前半で最もきついです。

急な上りではないですが、緩やかに長い距離を上っていくので、スピードを出してもそこまできつい感じはしないですが、スピードを出し過ぎると後半下り坂といえでも、失速する可能性が高いため、後半の下り坂まで我慢する意識が大切になってきます。

 27km~36.5km

この区間は、黒部川の河川敷沿いを通ります。河川敷沿いはほとんど日陰がなく、体もしんどくなる時間帯になります。

28km付近にある黒部マラソン名物の名水シャワーでしっかりと水を被り、特に首裏あたりは体温の調節機能があるので、そこをしっかりと冷やしておかないと下り基調でも暑さでやられてしまいます。

途中29km過ぎからアキグミ公園と黒部川河川公園内を走ります。

ここは草木が生い茂っているので日陰になるポイントがいくつかありますが、道幅が狭く、集団の場合走りにくい感じがします。

河川敷は基本コースがまっすぐで単調で景色がほとんど変わらないので、ここで躓くと精神的にかなりきつくなるので、出来る限りペースを落とさずに走りたいところです。

39km地点(富山湾)

©allsports.jp

39km付近になると右手に富山湾が一望出来ます。ここまでくると残り3km弱になるので、最後の力を振り絞って頑張りどころです。

顔を隠しているため分かりづらいですが、汗が大量にかき、かなり焼けていました。

僕は給水箇所では毎回水とスポーツドリンクをとっていたが、それでもこのような状態でしたので、とにかく給水と塩分補給は最後まで気を抜かずにおこないましょう。

富山湾を一望出来るコースの前後は道幅が狭くなっているので注意が必要です。

ゴール

ゴール後は蛇口から名水を飲む事が出来るのでがぶ飲み状態で、完走証や参加賞をもらった後は大文字になって少し寝てしまいました。

それだけハードでしたが、とても楽しいマラソン大会でした。

収容関門時間

黒部名水マラソンは9時スタートで15時ゴールの制限時間6時間です。

ゴールも含め収容関門は全部で8箇所あります。

NO.スタートからの距離スタートからの制限時間次の関門までの距離次の関門までの制限時間次の関門までに走るべきの1kmペース配分
スタート9.0km1時間25分9分26秒/km
19.0km1時間25分8.1km1時間05分9分15秒/km
217.1km2時間30分6.1km50分8分11秒/km
323.2km3時間20分5.0km40分8分00秒/km
428.2km4時間00分3.6km30分8分19秒/km
531.8km4時間30分4.7km40分8分30秒/km
636.5km5時間10分3.8km35分9分12秒/km
740.3km5時間45分1.895km15分7分54秒/km
ゴール42.195km6時間00分

黒部名水マラソンは後半に関門が集中しています。

各関門ごとを最低でも1km7分30秒前後のペースで行かないと後半はかなりきつくなります。

黒部名水マラソンのデータ

黒部名水マラソンを走る上で、過去の気象状況やランナーの傾向を把握することも、当日の作戦を練りやすいと思いますので、ここでは黒部名水マラソンの過去データをいくつかまとめておりますので、参考にしてみてください。

気象状況

黒部名水マラソンは富山県で開催されているとはいえ、5月下旬の気温はかなり高いです。

第32回と第33回大会は25℃を超えたためかなり過酷な状況でした。

しかし湿度はそこまで高くないので、梅雨の時期特有のじめじめした不快感はほとんどありません。

過去大会時の気象状況は以下の通りです。

大会天気湿度(%)9時10時11時12時13時14時15時
第35回(2018.5.27)67~7819.021.021.522.0 19.521.0 21.5
第34回(2017.6.4)62~7517.018.018.519.519.521.022.0
第33回(2016.5.29)64~7420.521.523.024.525.025.525.0
第32回(2015.5.24)49~5523.524.525.026.025.025.525.5
第31回(2014.5.25)56~6722.024.024.023.023.524.023.5

そのため、大会中は水分補給はもちろんの事、塩分の補給もしっかりおこなう必要があります。

黒部名水マラソンは、フルマラソン大会の中では給水箇所が22箇所とかなり多く、2kmごとにエイドがあり、さらに浴びせ水や名水シャワーなどもあるので、熱中症対策はきちんとしています。

無理せずに毎回しっかり給水を取っていれば完走する事は十分可能です。

中間タイム(平均タイム)

マラソン情報雑誌ランナーズにて毎年7月号(5月下旬発売)にて、全日本マラソンランキングが発表されています。

全日本マラソンランキングでは、各大会ごとに中間タイム(完走ランナーの中で中間順位のランナーのタイム)が記載されており、黒部マラソンのタイムの実態は以下の通りです。

男性ランナー女性ランナー全ランナー
黒部名水マラソン2017(2017.6.4) 4:24:55 4:43:47 4:27:13
黒部名水マラソン2016(2016.5.29)4:35:064:53:594:39:17
黒部名水マラソン2015(2015.5.24)4:29:494:49:444:33:12
黒部名水マラソン2014(2014.5.25)4:32:344:51:194:35:35

黒部名水マラソンの平均タイムをみると、気象状況に大きく左右されている事が分かります。

2017年大会は他の年と比較しても群を抜いて平均タイムが良く、気温が20℃を下回っていたので、湿度が高くても、コンディションとしては最適だったと思います。

一方、2016年大会は気温も湿度も高かったため、身体に熱がこもりやすい状況だったため、かなり苦戦したと予想されます。

それでも、制限時間が6時間ということもあるのか、市民ランナーのフルマラソン平均タイムよりやや上回っています。

この気温と湿度の条件で市民ランナーの平均を上回っているので、全体のランナーのレベルはやや高いように思われます。

ちなみに市民ランナーフルマラソン平均タイムは、2017年度全日本マラソンランキングによると、男性が4時間36分57秒、女性が5時間5分2秒でした。

フルマラソンの平均タイムについてもう少し詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

フルマラソン完走率

出走者完走者完走率
黒部名水マラソン20185061454690%
黒部名水マラソン20174904437891%
黒部名水マラソン2016 4855 416986%

黒部名水マラソンの完走率は毎回90%前後です。

黒部名水マラソン2016の完走率の悪さは、気象状況が過酷であったため、途中リタイア者も多く出てしまいました。

黒部名水マラソンの魅力とは

黒部マラソンは5月開催ということと、都市型マラソンではないので参加者が凄く多いわけではないですが、コストパフォーマンスはかなり高く、黒部マラソン後は富山市内で富山名物のホタルイカやしろえびなどの魚介を楽しむのもありなので、かなり穴場だと思います。

ゴール後も名水で作った、名水鍋や名水だんご、ますずしが無料で振舞われるので、ゴール後も十分に楽しめます。

 

 

 

上の写真は左から「名水鍋」「黒部おろしそば」「名水だんご」で、ゴール後に実際に食べました。

ますずしは食べなかったですが、どれも美味しく、黒部おろしそば以外無料というのはかなりのおもてなしだと思います。特に名水鍋のカニが想像以上にたくさん身が入っていたことにびっくりしました。

ただし、名水鍋は人気なので早めに食べないとすぐになくなってしまいます。

北陸新幹線が開通して、黒部に行きやすくなった今、黒部マラソンに参加してみるのもありだと思います。

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