マラソン

ハーフマラソンで1時間30分を切る練習、ペース配分、思考を解説

ハーフマラソンで1時間30分を切ることは、市民ランナー憧れの目標でありますが、簡単に達成出来ることではありません。

ハーフマラソンで1時間30分切りを目指しているランナーは、ハーフマラソンの自己ベストが1時間30分~1時間40分くらいだと思いますが、1時間40分を切るのと1時間30分を切るのでは難易度がまったく違ってきます。

なぜなら、1時間40分を切るには4分44秒/kmのペースで走ればよいですが、1時間30分を切るには4分15秒/kmで走らなければいけません。

日本ハーフマラソンランキング発表で平均タイムの実態が判明で解説していますが、1時間30分を切っているランナーの割合が男性で1.92%、女性で0.43%しかいません。(一部の大会を対象にした結果ですので、実際はもう少し多いと思いますが、それでもかなりの狭き門であることに間違いありません)

だからこそ、ハーフマラソンで1時間30分を切りしたときの達成感はかなりのもので、ランナーとして実力が一段階上にあがることになります。

この記事では、ハーフマラソンで1時間30分を切りたいランナー向けに、2018大阪ハーフマラソンで初の1時間30分切りを達成した僕が、1時間30分を切るまでに取り組んだトレーニング、調整方法を解説していきます。

この記事がきっかけでハーフマラソンで1時間30分を切ってもらえたら嬉しいです。

ハーフマラソンで1時間30分を切ったときのペース配分

僕はこれまで2回ハーフマラソンで1時間30分を切っていますが、大会時のペース配分は以下の通りでした。

2018大阪ハーフマラソン(2018年1月28日)

距離ラップタイムグロスタイムネットタイム
スタート地点0:01:00
1km0:04:430:05:430:04:43
2km0:04:180:10:010:09:01
3km0:04:150:14:160:13:16
4km0:04:160:18:320:17:32
5km0:04:120:22:440:21:44
6km0:04:110:26:550:25:55
7km0:04:080:31:030:30:03
8km0:04:070:35:100:34:10
9km0:04:070:39:170:38:17
10km0:04:070:43:240:42:24
11km0:04:100:47:340:46:34
12km0:04:070:51:410:50:41
13km0:04:100:55:510:54:51
14km0:04:080:59:590:58:59
15km0:04:141:04:131:03:13
16km0:04:111:08:241:07:24
17km0:04:111:12:351:11:35
18.0975km0:04:381:17:131:16:13
19.0975km0:04:071:21:201:20:20
20km0:03:451:25:051:24:05
20.0975km0:00:241:25:291:24:29
21.0975km0:04:091:29:381:28:38
ラップ平均0:04:15

 

第41回日本のへそ西脇子午線マラソン(2018年12月9日)

距離ラップタイム累積タイム
1km0:04:090:04:09
2km0:04:060:08:15
3km0:04:070:12:22
4km0:04:320:16:54
5km0:03:530:20:47
6km0:04:120:24:59
7km0:04:090:29:08
8km0:04:000:33:08
9km0:04:110:37:19
10km0:04:280:41:47
11km0:04:180:46:05
12km0:04:000:50:05
13km0:04:200:54:25
14km0:04:220:58:47
15km0:04:341:03:21
16km0:04:111:07:32
17km0:04:181:11:50
18km0:04:311:16:21
19km0:03:511:20:12
20km0:04:311:24:43
21.0975km0:05:101:29:53
ラップ平均0:04:16

1時間30分を切るためのマインドとは

普段のトレーニング

ハーフマラソンで1時間30分を切るには、スピード練習を重点的にやらなければいけません。

ハーフマラソンは長い時間ゆっくり走るトレーニング(LSD)だけでも完走することは出来ますが、長時間走るだけでは、スピードはなかなかついてきません。

もちろん、ジョグだけでも早いタイムでゴールするランナーもいますが、1時間30分を切るにはインターバル走、ビルトアップ走といったスピード練習を取り入れる必要があります。

フルマラソン経験ランナーの場合、普段のフルマラソンの練習(LSD、ペース走、30km走など)とスピード練習を取り入れることで、フルマラソンのタイム向上にもつながりますし、フルマラソンのタイムが良くなれば自然とハーフマラソンの記録も伸びます。

フルマラソン未経験のランナーの場合、スピード練習メインですと距離に対する耐性が出来ず、後半にばてて失速する可能性が高いので、フルマラソンの練習を取り入れるとハーフマラソンの距離を走る余裕が出来るため、ハーフマラソンのタイム向上に大きく貢献します。

僕が実際に取り組んでいるトレーニング方法はのちほどお話します。

大会本番

大会時におけるハーフマラソンとフルマラソンの走り方は大きく異なります。

タイムを狙ううえで、フルマラソンは前半から飛ばすと後半に「30kmの壁」(30km地点でエネルギー切れになり失速する状態)にぶちあたることが多いため、ネガティブスプリット(前半抑えて後半ペースを上げる)で走るなど、ペースを抑える方が得策であることが多いです。

しかし、ハーフマラソンは距離が短いため、きちんとトレーニングをしたのであれば、ある程度ペースを上げても最後まで走りきれる事が多いです。

そのため、ハーフマラソンでタイムを狙うには、スタート時から自分の最高スピードで走れるようにしておくのがベストで、ポジティブスプリット(前半から飛ばして後半粘る)で走る意識をもつことが大切になってきます。

僕の経験上、ハーフマラソンは前半抑えて後半ペースを上げようという考えは、1時間30分を切る上では不要で、仮に後半ペースを上げても前半を抑えていた分、達成出来なかったということはよくあるため非常に勿体ないです。

普段のトレーニング方法について

ハーフマラソンは短いようで長い絶妙な距離であり、距離に対する耐性をつけるスタミナ系の練習と、1km4分15秒とかなりの速いペースで走らないといけないため、スピード系の練習の2つをメインにバランスよくトレーニングする必要があります。

僕はスタミナ系の練習とスピード系の練習を2:1ぐらいの割合でやっています。

僕はフルマラソンもやっているので、フルマラソンを速く走るためにハーフマラソンのタイムを上げる意識をもっており、フルマラソンの練習の一部にハーフマラソンという考えでトレーニングをしております。

トレーニングスケジュール

僕のトレーニングスケジュールは、毎日決まったやり方ではなく、その時の状況に応じて変えています。

市民ランナーは仕事や家庭、プライベートなど日々忙しい方が多いので、僕はあまり○○曜日に必ずこれをすると決め付けないようにしています。

僕の場合、だいたい以下のスケジュールでトレーニングをしております。

平日も走れる場合

・平日はスピード練習をメインに週1~2回

・休日はスタミナ系の練習をメインおこなう

休日のみ走れる場合

・出勤時は出来る限り早歩きかつ可能性であれば一つ先の駅まで歩く。(速いスピードで動くことを常に意識をもたせるため)

・休日は週2日休みの場合、1日目は長距離走やLSDをメイン、2日目は中距離ペース走+スピード練習。その時の気分で順番を入れ替えることもあり。

スタミナ系の練習

ハーフマラソンを1時間30分を切るには1km4分15秒のペースで走らないといけないため、最低でも1km5分を切るペースで30km以上走れる必要があると思います。

僕は2017年10月の大阪30Kで初めて30kmを2時間30分を切り(2時間27分50秒)、その時のハーフマラソンの記録は1時間33分~35分で停滞していましたが、2018年1月の大阪ハーフマラソンで1時間28分38秒でゴール出来ました。

僕のトレーニング方法は、ペース走とLSDを交互におこなうやり方で、ペース走は1km5分より速いペースで15km-20kmくらい走り、クリアしたらペースを早くしたり距離を伸ばしたりしています。

順番ペース走LSD
11km4分50秒  15km
21km7分  30km
31km4分50秒  20km
41km7分  30km
51km4分40秒  15km
61km7分  30km
71km4分40秒  20km
81km7分  30km

距離やペースはその時の状況で変わりますが、ペース走はビルトアップ(徐々にスピードを上げて走る)に近い感覚でやることで、長距離の耐性とスピードを上げる感覚を身につけています。

スピード系の練習

スピード練習はインターバル走やダッシュ系がメインになります。

インターバル走は心拍数を急上昇させることで、心肺機能強化とスピード耐性をつけることが目的であり、かなりしんどいトレーニングです。

ハーフマラソンで1時間30分を切るには、1km4分15秒のペースで走らなければいけないので、インターバル走をするときは1km4分15秒より速いペースで走る必要があります。

僕は、インターバル走は800mを3分のペース(1km3分45秒)で全力で走り、400mを3分30秒のペースでジョグのを繰り返しています。それを5セットくらいおこなっています。

基本スピード練習は個人の能力や体調に合わせてやるべきで、僕も上記がベースですが、ペースを遅くしたり距離を短くしたりセット数を減らす事はあります。その逆もあります。

また、階段ダッシュや坂道ダッシュなどを取り入れるなど、平坦なコースだけでなくアップダウンがあるところでおこなうのも有効です。

ビルトアップ走は一定の距離間隔で徐々にスピードを上げていくトレーニングで、フルマラソンの後半の粘りを出すためにおこなうのが一般的な目的ですが、ハーフマラソンは距離があるので、スピードを維持したまま最後まで粘るという部分では有効な練習方法だと思います。

レース直前の調整方法とは

大会によってスタート整列の方法や時間は異なりますが、ハーフマラソンでタイムを狙うにはスタートダッシュが必要になるため、本番前のストレッチや走りは大切になってきます。

僕の基本的な調整方法は、

①股関節や肩甲骨を中心にストレッチをおこなう。

②ストライド(歩幅)をかなり広くして歩いてから、そのままゆっくり走ったり、階段があれば1段抜かしで走る。

③100m~200mくらいの短距離を全力で走る運動を数セット

④軽いジョグでクールダウン

の順番でやります。

レースでストライドを広くして走ることと、腕をしっかりふることを意識した調整をしております。

スタート整列してもスタートまで時間がある大会だと、整列前のランニングは、心拍数も落ち着くし意味がないと思われる方もいますが、本番前に走ることでスタートダッシュできるイメージをしっかり植えつけることが大事になります。

後はいきなりスタートダッシュするとどうしても体に力みが入るので、事前に走っておくと余計な力が入らずに、トップギアまでもっていけるのもメリットです。

当たり前ですが、スタート整列の時間を逆算して調整しないと、いくら調整してもスタート整列時にブロックの後ろに並ぶとそれだけでタイムロスになるので、早めに並ぶということも非常に大切になります。

最後に

ハーフマラソンで1時間30分を切る方法に正解はありませんし、僕も1時間30分を切った理由を分析してもよく分からない事の方が多いです。

トレーニングの量や質は個人によって適正があるため、僕が1時間30分を切った時のトレーニング方法やマインドを参考にして、自分なりのトレーニング方法や本番前の準備を見つけていただけたらと思います。

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POSTED COMMENT

  1. アバター 高木 太貴 より:

    どれも大変参考になる内容でした。
    僕は、走ることを一筋に40歳よりランニングを始め、現在46歳です。目標は、数年前より変わらず、10キロを速く走れるようにとしています。大会では、夏場の5キロ、10キロ。冬場の10キロ、ハーフを走っています。
    距離を長く走ることを苦手としているため、あえて月間距離は多く走るようにして大体500キロは超えるくらいです。先月は、初めてチャレンジ月間として距離だけを意識し、1日平均20キロ、月間560キロを達成しました。達成しても何もないですが、会社員の生活をしながらということで、明けても暮れても走っている状態、足は疲れは大丈夫でしたが、精神的な修行している感じが強かった為、今後の支えに成ればと思っている所です。
    僕は、毎日走っているため足の疲労感を出来るだけ残さないようにとあみ出したスピード練習法を週に1回か2回しています。300~400メートルクラスの低山の山道か階段走。登りをメインに降りは、ゆっくり。これが、意外と足の疲れが残らず、心肺が鍛えられ、タイムの向上に繋がりました。後は、仕事後の夜間にジムのランニングマシーンを使って、インターバル走。こちらも足の負担は少なめで、数日連続しても大丈夫な感じがあります。
    とめどない内容で長々とすみません。これからも宜しくお願いします。

    • アバター kazuyama より:

      高木さん

      ブログをご覧いただきありがとうございます。

      月間560キロは凄すぎます。
      僕も会社員をしながら走っていますが、MAX月間200キロが限界です。

      足の疲労を残さない方法については、今度の練習で取り入れてみたいと思います。
      30kmまでは同じペースで走れますが、フルマラソンになると、いつも最後の最後に失速するので、長距離の耐性と脚の疲労を残さない事は僕の今の課題ですので。

      こちらこそよろしくお願いします。

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