体力テストの種目に立ち幅飛びがありますが、正しい飛び方を実践している人が少なく、記録を損している人が多いような気がします。
また、立ち幅跳びは身長が高く、脚が長いほうが有利と言われていますが、私が学生時代の時は身長が高い人でも、結果がよくなかった人を知っています。
私も決して立ち幅跳びが得意な人でなく、どちらかというと苦手でした。それでも私なりにコツを掴むまで練習したり、記録が伸びる人の一連の動きを見て実践してきました。
この記事では、立ち幅跳びの記録が伸びない方、立ち幅跳びを初めておこなう人向けに、少しでも記録が伸びるためのポイントを紹介したいと思います。
立ち幅跳びの平均値(2014年度)
立ち幅跳びが苦手な方は、まずは体力テストの年齢別の平均記録を超える事を目標にしてください。特別な根拠はありませんが、私は○m飛ぼうと考えるよりも平均値を超えるくらいの意識で飛んだほうが結果が良かったからです。
参考に文部科学省が2015年10月11日に公表した、体力・運動能力調査によりますと、2014年度の年齢別全国の立ち幅跳びの平均は以下のようになりました。
年齢 | 男性 | 女性 |
平均値(cm) | 平均値(cm) | |
6 | 114.22 | 106.26 |
7 | 126.20 | 118.38 |
8 | 137.53 | 128.22 |
9 | 145.72 | 137.37 |
10 | 155.03 | 147.94 |
11 | 166.04 | 157.32 |
12 | 181.04 | 165.03 |
13 | 197.71 | 170.71 |
14 | 212.37 | 174.79 |
15 | 218.83 | 170.65 |
16 | 224.63 | 170.96 |
17 | 228.56 | 171.56 |
18 | 226.72 | 168.96 |
19 | 228.05 | 170.84 |
20-24 | 227.68 | 166.77 |
25-29 | 223.93 | 162.61 |
30-34 | 218.28 | 159.28 |
35-39 | 212.14 | 156.92 |
40-44 | 208.27 | 154.60 |
45-49 | 201.20 | 151.72 |
50-54 | 196.11 | 145.50 |
55-59 | 187.23 | 139.51 |
60-64 | 178.32 | 128.61 |
男性も女性も立ち幅跳びの記録の伸び率は、体の成長のスピードと似ている事が分かります。ここでいう体の成長とは身長の高い低いという意味ではありません。そのため、体が成長している間は記録は自然と伸びると考えていいと思います(そうなるとポジティブに考えた方が結果が上手くいきます)。特に学生の方は年齢がひとつ上がる事に記録がどれだけ伸びているかに注目し、伸び率で考えるようにしてください。
例えば14歳の男の子が立ち幅跳びの記録が190cmとします。平均は212.37cmであるため平均値に全く達成しておりません。15歳の男の子の平均が218.83cmであるため、約6.45cm記録が伸びております。そのため、この14歳の男の子は最低でも196.45cmを超えるという意識を持つと良いと思います。
この記録より極端に悪ければ、跳躍が弱いというよりも、立ち幅跳びの意識付け、コツの問題になると思います。
立ち幅跳びをする際の意識
手を大きく振る
立ち幅跳びは走り幅跳びと異なり、助走をつける事が出来ません。純粋に跳躍だけで飛ぶわけですが、唯一ジャンプに勢いをつける動作が手を振る事です。
手を前後振り子のように振り、ふった時に手が真下にむいた瞬間にジャンプするイメージを持つと、跳躍に勢いをつける事が出来ます。手を振って手が真下を通過したあとは、進行方向に手を振り上げます。つまり、真下までに下ろす時は充電中、下ろした手を再び進行方向に向けて振り上げる時をエネルギー放出中と考えると良いと思います。
45度上方向を飛ぶ
私も経験あるのですが、ジャンプの出来に対して記録が思ったより伸びなかった事が一度はあると思います。
その原因の多くは、少しでも長い時間足が着かないように高くジャンプしてしまう事にあります。
確かに足が着くまでの時間が長ければ距離が出るのは間違いありません。しかし、いくら高くジャンプしても上方向にジャンプしては距離は出ません。
野球に詳しい人であればイメージしやすいと思いますが、バッターが高いフライを打ち上げてもホームランになる事はほとんどありません。打球が一番飛ぶのは45度の角度で打球が飛ぶ時です。
また、体力テストの種目でソフトボール投げもしくはハンドボール投げがありますが、肩の力と握力が同じ人が、同じ腕の振りでボールを投げても上に向けて投げる、もしくはライナーで投げるよりも、45度上方向に投げるのが一番距離が出ます。
立ち幅跳びに関しても全く同じことが言えます。ジャンプ力に自信がない人はまずは45度上方向にジャンプする意識を持つだけでも記録は変わってきます。
重心を前へ
立ち幅跳びの時の重心に関して、当時の体育の先生から一番指摘されました。やっている本人は前へ飛ぼう飛ぼうとしているのですが、重心が後ろへいっているので、想像以上に距離が伸びないという状態です。
単純に前へ進もうとする力に対して、後ろへ重心がかかると後ろへ力が働くため、その分だけ記録が落ちてしまいます。
また、重心を後ろにしてしまうと、立ち幅跳びで一番やってはいけない(記録に甚大な影響を及ぼす)状況に陥る可能性が非常に高くなります。
それは、立ち幅跳びのルールに関係してくるのですが、足より後ろに手がつくと、手をついた場所が記録になってしまいます。重心が後ろになりますと、着地時に手を後ろに着きやすくなってしまいます。私はよく手と尻餅をついていました。そのため、平均値を大幅に下回る記録を出し続けてしまい、立ち幅跳びが苦手で仕方ありませんでした。
そのため、ジャンプをする時は飛ぶ方向に対して上方向45度に視線をやり、前進姿勢を保ちながら飛ぶイメージをする事が大事になります。(スキーのジャンプの時の姿勢をイメージすると分かりやすいと思います)
感覚をつかむ
これは、立ち幅跳びに限った事ではありませんが、後はこの記事で述べた事に注意しながら、ひたすら練習して間隔を掴むしかないと思います。
腕立て伏せや腹筋みたいに、負荷のかかる動きではないので、負担に感じる事なく練習する事が出来ると思います。
また、立ち幅跳びの練習は足腰を鍛える事につながるのでまさに一石二鳥と言えます。