防府読売マラソンは、山口県防府市で毎年12月に開催される市民マラソンで、実業団の若手選手が多く出場するなど、若手ランナーの登竜門と言われる大会です。
テレビ中継も西日本を中心に、14局ネットで放送されるなど注目度が高い大会であるため、大会テーマソングも有名でを聞いた事がある人も多いのではないでしょうか。
防府読売マラソンは、2007年まで制限時間3時間というかなり厳しい大会でしたが、2008年から制限時間4時間に大幅に緩和された事もあり、市民ランナーが憧れる大会に出場する事が容易になりました。
そのため、毎年エントリー合戦が激しく、すぐに定員に達する人気大会になったため、出場したいランナーはいち早く情報を手にしておく必要があります。
この記事では防府読売マラソンのエントリー情報やコース攻略法、当日の動きなどを紹介することで、防府読売マラソンに参加を検討しているランナーにとって参考してもらえたら嬉しいです。
防府読売マラソンのエントリーの実態とは?
防府読売マラソンのエントリー方法は、ランニング大手サイトのRUNNETから先着順での申し込みがメインとなります。
RUNNETは、最も日本各地で開催されるマラソン大会のエントリーを多くを受け持っているので、マラソンにエントリーする前に必ずRUNNETに登録しましょう。
防府読売マラソンに出場するにはグロスタイムでフルマラソン4時間以内、ハーフマラソン1時間33分以内の記録を出す必要があります。
また、エントリーする際はランナーの持ちタイムによりカテゴリー分けされており、基本的に持ちタイムが早いランナーほどエントリー枠が多いのが特徴です。
第50回大会(2019)は、7月29日(月) 20時からの募集でした。
フルマラソン男子の部
カテゴリー | 定員 | フルマラソンタイム | ハーフマラソンタイム |
1 | なし | 2時間40分以内 | 1時間12分以内 |
2 | 1000 | 3時間00分以内 | 1時間17分以内 |
3 | 1400 | 3時間30分以内 | 1時間25分以内 |
4 | 400 | 4時間00分以内 | 1時間33分以内 |
フルマラソンやハーフマラソンの持ちタイムが良いほどカテゴリーにおける枠が多いのが特徴です。
しかし、カテゴリー1を除くカテゴリーはどの枠も数分で締め切られるので、エントリー開始時間までにエントリー出来る準備をしておき、後はクリック合戦を制するしかありません。
フルマラソン女子の部
カテゴリー | 定員 | フルマラソンタイム | ハーフマラソンタイム |
1 | なし | 3時間00分以内 | 1時間17分以内 |
2 | 200 | 3時間30分以内 | 1時間25分以内 |
3 | 150 | 4時間00分以内 | 1時間33分以内 |
フルマラソン女子の部は男子に比べて定員枠が少ないので、男子以上に狭き門となります。
フルマラソン女子も男子同様にエントリーの募集は数分で締め切られます。
マラソン大会に出場したいランナーは以下の記事を参考にすると、先着順の大会エントリーの成功率がぐんと上がりますので、是非参考にしてください。
参加費
第50回大会(2019)の参加費は10000円でした。
第45回大会(2014)までは5000円、第49回大会(2019)までは8000円だったので、2000円の値上げとなってしまいました。
防府読売マラソンのデータ
気象状況
過去3大会の気象状況は以下の通りでした。
天気 | 11時 | 12時 | 15時 | 16時 | |
第49回防府読売マラソン(2018) | ☂ | 11.0℃,57%,南東2.1m | 11.0℃,75%,南東2.0m | 10.5℃,93%,東南東2.2m | 10.5℃,87%,南東2.0m |
第48回防府読売マラソン(2017) | ☀ | 4.5℃,59%,北西1.4m | 5.0℃,46%,西北3.9m | 5.0℃,38%,北西2.6m | 5.0℃,53%,北西1.7m |
第47回防府読売マラソン(2016) | ☀ | 11.0℃,75%,南南東0.7m | 12.5℃,76%,南東0.7m | 12.5℃,65%,南南西1.2m | 14.0℃.57%,南東1.1m |
防府読売マラソン大会時は風がやや強い傾向にあります。
気温は10℃前後であり、天気も晴れる事が多く比較的走りやすいのですが、防府読売マラソンの最大の敵は風と言えます。
僕が走った第49回大会は10年ぶりの雨と、なかなか厳しいコンディションの中の大会となりました。
中間タイム(平均タイム)
マラソン情報雑誌ランナーズにて毎年7月号(5月下旬発売)にて、全日本マラソンランキングが発表されています。
全日本マラソンランキングでは、各大会ごとに中間タイム(完走ランナーの中で中間順位のランナーのタイム)が記載されており、防府読売マラソンのタイムの実態は以下の通りです。
第44回防府読売マラソン(2013)は完走ランナーの平均タイムとなっております。
男性ランナー | 女性ランナー | 全ランナー | |
第48回防府読売マラソン(2017) | 3:11:04 | 3:24:38 | 3:13:08 |
第47回防府読売マラソン(2016) | 3:12:38 | 3:26:22 | 3:14:55 |
第46回防府読売マラソン(2015) | 3:11:07 | 3:26:05 | 3:12:38 |
第45回防府読売マラソン(2014) | 3:11:02 | 3:28:13 | 3:13:42 |
第44回防府読売マラソン(2013) | 3:17:57 | 3:31:00 | 3:19:21 |
防府読売マラソンの平均タイムは3時間15分を切っているので、ランナー全体のレベルはかなり高いです。
サブ4ランナーであれば出場権は得られますが、最低でもサブ3.5を狙えるくらいのレベルでないと、当日のアクシデントによっては簡単に関門切りにあってしまうと思います。
フルマラソンの平均タイムについてもう少し詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
フルマラソン完走率
出走者 | 完走者 | 完走率 | |
第50回防府読売マラソン(2019) | 3083 | 2735 | 88.7% |
第49回防府読売マラソン(2018) | 2557 | 2261 | 88.4% |
第48回防府読売マラソン(2017) | 2587 | 2349 | 90.8% |
第47回防府読売マラソン(2016) | 2678 | 2371 | 88.5% |
防府読売マラソンの完走率は90%前後で、他のフルマラソン大会に比べて若干低いです。
ランナーは全員サブ4レベルであるが、当日のコンディションが悪い場合や途中のアクシデントがあると、制限時間4時間であるので、リカバリー出来ないまま棄権や関門切りにあってしまう場合が多いようです。
防府読売マラソンのコース攻略法
第49回大会(2018)までは防府市陸上競技場スタートでしたが、第50回大会(2019)は、ソルトアリーナ防府からのスタートに変更になりました。
その影響で、コース全体はほぼ変わりませんが田島交差点で折り返していたのが、航空自衛隊防府南基地での折り返しになりました。
コースマップ、高低差図
次に、コースをポイントごとに解説していきます。
なお、コースが変更になっているため、解説動画と説明が旧コースと混同していますが、コース全体はそこまで大きな変化がありません。
スタート直後
僕が第49回大会(2018)に出場した時は、参加人数が少ないのと、全員サブ4以上の実力があるランナーばかりなので、スタート直後の混雑は大丈夫と思っていました。
しかし、意外とスタートラインを越えるまでに時間を要した(普段の市民マラソン大会よりはましですが)のと、スタートラインを越えても歩く事になり、陸上競技場を出た直後は道幅が狭く、小走りでなかなか自分のペースに持っていく事が出来ませんでした。
ちなみに僕はゼッケンが2300番台で、スタートラインを通過するのに1分でしたので、ランナー全員がスタートラインを通過するのに2分かからなかったぐらいだと思います。
第50回大会(2019)は、スタート位置がソルトアリーナ防府前でしたので、道幅が広いところからのスタートでした。
スタートラインを通過するまでの時間は、大会結果で調べたところ大きな変化はありませんでした。(2200番台のランナーがスタート地点を通過するのに1分程度。)
それでも、第49回大会は違い、スタート後は道幅が広い直線を2km走るので、スタートラインを通過してから混雑することはあまりなかったと思われます。
・スタートラインを通過するまでの時間は例年通り。(RUNNETの大会結果で調査)
・スタートラインを通過後の混雑は緩和。
コース前半
コース動画は、第49回大会(2019)です。
コース前半はフラットで工業地帯を中心に同じところを周回するため、比較的に楽に走れます。
ランナーによっては、同じところをぐるぐる回り景色もかなり単調なのでしんどいと感じると思いますが、僕は同じところを回る事でコースの距離間隔や状態を把握できるので、かなり走りやすいと感じました。
給水箇所は全部で9箇所ありますが、23km地点までに6つあるので、給水箇所が固まっているのが大きな特徴です。
そのため、かなりスピードを上げてもある程度余裕で走る事が出来ますが、後半の事を考えると快適に走ろうとするよりはいかに体力を減らさずに、脚に負担をかけずに走れるかが大事になってきます。
コース後半
コース動画は、第49回大会(2019)です。
後半は前半と変わってアップダウンが多くなります。
20.5kmと39kmの三田尻大橋と26.5kmと33kmの植松跨線橋をどう乗り越えるかが大きな鍵を握るのはもちろんですが、33kmの植松跨線橋を越えてからの緩やかな上りが最後の最後にじわじわと効いてきます。
また、後半は給水箇所が3箇所(28km,34km,39km)しかないため、僕は前半から多めに補給食を取る作戦でいきましたが、残り5kmあたりから脚が重くなったのと、体力が無くなってきたので、後半に備えて水なしで飲める補給食や補給飲料をもって走るなどの対策が必要だと感じました。
収容関門時間
第50回大会(2019)は、収容関門箇所が5か所から6か所に増えました。
NO. | スタートからの距離 | スタートから制限時間 | 次の関門までの距離 | 次の関門までの制限時間 | 次の関門までに走るべきの1kmペース配分 |
スタート | 7.7km | 44分 | 5分42秒/km | ||
1 | 7.7km | 0時間44分 | 9.4km | 54分 | 5分44秒/km |
2 | 17.1km | 1時間38分 | 5.4km | 31分 | 5分44秒/km |
3 | 22.5km | 2時間09分 | 7.0km | 39分 | 5分34秒/km |
4 | 29.5km | 2時間48分 | 5.5km | 32分 | 5分49秒/km |
5 | 35.0km | 3時間20分 | 6.8km | 40分 | 5分52秒/km |
6 | 41.8km | 4時間00分 |
宿泊情報
防府読売マラソンは12時2分スタートであるため、普段の市民マラソンに比べて朝はかなり余裕をもつことが出来ます。
会場の防府周辺のホテルはマラソン価格ということもあるため、宿泊費はかなり高くついてしまう事が多いですが(僕が調べた限り10000円を超えるところが多かったです)、スタート時間が遅いため、防府以外の場所でホテルを予約しても大会に十分間に合います。
僕は徳山駅(防府駅から約25分)近くのホテルに宿泊しましたが、宿泊費も朝食バイキング付きで5000円で、防府読売マラソンに出場されるランナーも多くいました。
実は大阪~九州(鹿児島)から参加する場合、当日の朝に家を出ても十分に間に合うので、ホテル代が勿体ない方やどうしても予約がとれなかったランナーでも安心して大会に参加する事が出来ます。
・防府市内のホテルが取れなくても、山口県内主要都市、福岡、広島などに宿泊でも問題なし
・大阪~鹿児島圏内は当日出発でも十分に間に合う。(当日受付もOKなので安心)
受付情報および大会当日の動き
防府読売マラソンの受付は前日受付と当日受付があります。
防府駅からは前日受付、当日受付とも会場まで無料のシャトルバスが出ます。
前日受付のシャトルバスはそこまで混んでいませんでしたが、当日はシャトルバス乗り場はかなりの渋滞でしたので、出来る限り早めのシャトルバスに乗る事をお勧めします。
前日のシャトルバスは13時~16時30分でバスの人数が満員になり次第出発します。前日受付は13時~17時までです。
当日のシャトルバスは8時20分~10時30分で、以下参考に山口県内主要駅から防府駅までの出発時刻についてまとめてみました。(2018年12月地点)
当日受付は9時~11時までです。
出発駅 | 防府駅までの運賃 | 防府駅までの所要時間(最短) | 電車発車時刻(最終時刻) | 防府駅到着時間 |
徳山駅 | 500円 | 26分 | 9時59分 | 10時25分 |
新山口駅 | 320円 | 15分 | 9時53分 | 10時08分 |
下関駅 | 1490円 | ー(新山口駅で乗り換えの場合あり) | 8時11分 | 9時42分 |
この表を見て分かるように、山口県内に前泊したランナーは朝かなり余裕をもつ事が出来ます。
大体のフルマラソン大会は、9時スタートが多く、朝はどうしてもバタバタするのでかなり有難いです。
防府読売マラソンはランナー全員に無料のうどん引換券がもらえるので、僕は朝ごはんをしっかり食べた後、スタート前にうどんを食べて、バナナや補給食を等間隔で食べてレースに備えました。
お昼スタートは朝は余裕を持つことができますが、いかんせん初めての事でしたので、調整方法が結構難しかったです。(お昼なのでお腹を空かせるわけにもいきませんし、食べ過ぎて体を重くし過ぎてもいけません)
着替え場所は会場のソルトアリーナ防府内の体育館で2階もあるので、ぎゅうぎゅうずめの中で着替えるほどではなかったです。
荷物は貴重品のみ預ける事が出来ますが、その他の荷物は着替え場所で自己管理が基本になります。
大会終了後は、多くのランナーがシャトルバスを利用していましたが、結構混んでいたのでシャトルバスに乗るまで時間を要しました。
ただ、シャトルバスは随時来ていたので決してシャトルバスの対応が悪かったとは思いませんでした。
最後に
防府読売マラソンは市民ランナー憧れの大会で、他の市民マラソンほどの華やかさやエイドの盛り上がりはありませんが、タイムを狙っているランナーの方は是非一度参加して、競技大会を味わってみるのもいいかもしれません。
防府は2017の間違いじゃありませんか?
サナさん。
2017の間違いでした。
ご指摘ありがとうございます。