京都マラソンに出場するランナーにとって、実際のコースはどんなのか気になる方は多いのではないでしょうか?
この記事では、京都マラソン2018に出場した経験をもとに、京都マラソンのコースについて解説していきます。
コースマップ、高低差
京都マラソンは随所にアップダウンがあり、道幅が狭い箇所が多く、折り返しが6箇所あるので記録を狙うのはかなり難しいように感じます。
僕は京都マラソン2018を走りましたが、景観は素晴らしかったのですが、コースの特性上、かなり走りづらかったです。
京都マラソンに出場されるランナーは、積極的に起伏が多いところを練習コースで走るといいでしょう。
それでは、各ポイント毎に詳しく解説していきましょう。
京都マラソンを走るときのポイント
スタート直後
スタート直後はランナーが混雑して走りにくいですが、比較的道幅が広いので、早い段階で自分のペースで走る事が出来ます。
京都の朝はかなり冷え込んでいるため、スタート整列時からトイレが近くなりやすいです。
スタート直後のトイレは思っているほど混んでいないため、トイレが近いと思ったら、いきなりトイレを済ましてからマラソンに集中するのがいい結果が出やすいと思います。
もしトイレが多そうだと感じた場合、スタートからしばらくはコースの右側を走るとトイレが多くあるので、右側走行しておくと良いです。
桂川・嵐山エリア(4km~7km)
桂川に近づくにつれて道幅が狭くなり、桂川まできますと一気に道幅が狭くなります。
京都マラソンは参加人数が多いので最後まで集団の中を走る事になりますが、序盤なのでより窮屈になります。
最初の給水箇所も4.5km付近にありますが、道幅が狭くランナーが多いため、かなり取りづらく、始めから第2給水所(7.9km)地点まで給水を取らないという選択肢も考えておくのも手だと思います。
ここでは、無理にランナーの間を走るよりは道幅が広くなるまで流れに乗る形の方が良いでしょう。
また、桂川を過ぎたあたりから徐々に上り基調になるので、とにかく無理してランナーを追い越すのはやめて、ペースを抑えておいた方が後半の事を考えても最善です。
今宮門前通(15km付近)
15km付近の今宮門前通は全コースの中でかなり狭い場所のひとつで、第5給水所もあるので、ランナーが密になっていると相当走りづらいです。
しかし、ここでは給水以外にもバナナやラムネなどの固形物が置いている最初のエイドであるので、ランナー自身の状態によってはバナナなどを摂取した方がいいので、積極的に活用したいところです。
給水を取る心理として、エイドがある方が密になり、手前の給水を取りがちで、ランナーによってはその場にたちどまってしまう人もいます。
そのため、エイドに沿って走るとかなり走りづらくなるので、ここは落ち着いてエイドに寄らずに走り、ペースを上げてエイド奥の給水や固形物を取るのがベストになります。
僕の場合、左側にエイドがあったので、真ん中より右側を走り、奥の給水を取る事で比較的スムーズに走る事が出来ました。
鴨川河川敷(30~33km)
30km過ぎの鴨川河川敷は、全コースの中で一番走りにくいです。
15km過ぎの今宮門前通も道幅は狭いですが、距離が短い分そこまでストレスに感じる事は少ないです。
しかし、鴨川河川敷は約2kmくらい続く中で、30kmの壁にぶつかりやすいポイントでもあるので、歩き出すランナー、ゆっくり小走りするランナーがでてきます。
一応、歩く人用と走る人用でコースが区切られてはいますが、ただでさえ狭い区間であるのに、区切られるためスピードを上げたいランナーにとっては結構やっかいになると思います。
僕は完全に脚が急にとまってしまい、後ろのランナーが怪訝そうな顔で僕を見てきたので申し訳ない気持ちと、道幅が狭いなあという本音が入り混じりました。
そのため、歩くと決めたら早くから歩き用のコースに行くようにしましょう。
今出川通(38km~41km)
ゴールまで残り3kmというところで、今出川通の坂を上る事になります。
細かいアップダウンや多くの折り返しなどで、脚がかなり重くなっているところでの坂はかなりきついです。
走るのが厳しいそうなランナーは思い切って早歩きに切り替えた方がいいでしょう。
下手に走ろうと無理すると、余計に脚が動かなくなるので、早歩きでいいという気持ちでいる事が、最後の坂を攻略するポイントになります。
普通に走れるランナーは今出川通の折り返し後はゴールまで下り基調なので、上りは少し抑えつつ、折り返しから一気にラストスパートをかけるのが良いと思います。
収容関門時間
京都マラソン2018ではゴールも含め収容関門は全部で9箇所ありました。
NO. | 場所 | スタートからの距離 | スタートからの制限時間 | 次の関門までの距離 | 次の関門までの制限時間 | 次の関門までに走るべきの1kmペース配分 |
1 | 清滝道三条 | 6.1km | 1時間02分 | 3.0km | 23分 | 7分40秒/km |
2 | 一条山越 | 9.1km | 1時間25分 | 3.4km | 27分 | 7分56秒/km |
3 | 立命館大学前 | 12.5km | 1時間52分 | 5.9km | 48分 | 8分08秒/km |
4 | 西賀茂橋西詰 | 18.4km | 2時間40分 | 8.4km | 1時間08分 | 8分10秒/km |
5 | 下鴨中通北山 | 26.8km | 3時間48分 | 5.3km | 44分 | 8分11秒/km |
6 | 荒神橋西詰北 | 32.1km | 4時間32分 | 2.8km | 23分 | 8分13秒/km |
7 | 京都市役所前北 | 34.9km | 4時間55分 | 6.1km | 54分 | 8分51秒/km |
8 | 東山近衛 | 41.0km | 5時間49分 | 1.195km | 11分 | 9分12秒/km |
9 | ゴール | 42.195km | 6時間00分 |
京都マラソンの関門は前半の方が若干きつい設定となっています。
特にスタートから第一関門までは、全ランナーがスタートを通過するまでの時間を15分と仮定すると、1kmを7分42秒ペースでいかないといけないので、ゆっくり走るランナーも前半はとにかく関門時間はきちんと把握したうえで、事前に作戦をたてておきましょう。
ちなみに公式ホームページでは、各関門を通過するのに1km7分のペースで行くことが推奨されております。
京都マラソンのデータ
京都マラソンを走る上で、過去の気象状況やランナーの傾向を把握することも、当日の作戦を練りやすいと思いますので、ここでは京都マラソンの過去データをいくつかまとめておりますので、参考にしてみてください。
気象状況
京都マラソンの公式ホームページによると、過去大会の気象状況は以下の通りでした。
9:00 | 15:00 | |
京都マラソン2018 | ||
京都マラソン2017 | ☀,11.0℃,湿度55% | ☀,13.0℃,湿度44% |
京都マラソン2016 | ☀,12.0℃,湿度56% | ☁,11.7℃,湿度47% |
京都マラソン2015 | ☁,4.5℃,湿度70% | ☁,11.0℃,湿度54% |
京都マラソン2014 | ☀,8.0℃,湿度50% | ☀,9.0℃,湿度43% |
過去の傾向より、スタート時の気温は年によって大きく変わりますが、ゴール時の気温はほぼ変わっていない事が分かります。
2月開催ですのでかなり寒いですが、ここ数年は比較的気温は高めですので走りやすい環境だと思います。
中間タイム(平均タイム)
マラソン情報雑誌ランナーズにて毎年7月号(5月下旬発売)にて、全日本マラソンランキングが発表されています。
全日本マラソンランキングでは、各大会ごとに中間タイム(完走ランナーの中で中間順位のランナーのタイム)が記載されており、京都マラソンのタイムの実態は以下の通りです。
京都マラソン2014は完走ランナーの平均タイムとなっております。
男性ランナー | 女性ランナー | 全ランナー | |
京都マラソン2018 | 4:20:52 | 4:49:39 | 4:27:40 |
京都マラソン2017 | 4:30:12 | 4:51:02 | 4:36:35 |
京都マラソン2016 | 4:24:14 | 4:48:10 | 4:30:53 |
京都マラソン2015 | 4:19:40 | 4:45:10 | 4:25:41 |
京都マラソン2014 | 4:24:30 | 4:49:24 | 4:29:52 |
市民ランナーフルマラソン平均タイムは、2017年度全日本マラソンランキングによると、男性が4時間36分57秒、女性が5時間5分2秒であることから、京都マラソンは坂が多くてきついコースですが、制限時間6時間も影響しているのか、想像以上にランナー全体のタイムは高いです。
フルマラソンの平均タイムについてもう少し詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
フルマラソン完走率
出走者 | 完走者 | 完走率 | |
京都マラソン2019 | 16289 | 15382 | 94.4% |
京都マラソン2018 | 15832 | 14954 | 94.5% |
京都マラソン2017 | 17252 | 16083 | 93.2% |
京都マラソン2016 | 16000 | 15112 | 94.5% |
京都マラソン2015 | 16236 | 15452 | 95.2% |
京都マラソン2014 | 15532 | 14596 | 94.0% |
京都マラソンの完走率は94%前後です。
完走率は他のフルマラソン大会と大きな差はありませんが、ランナーの平均タイムが速いのと、坂道が多いコース、制限時間6時間とフルマラソンを初めて挑戦される方にとっては、94%前後の完走率とはいえ侮れないと思います。
京都マラソン2021のエントリーについて
京都マラソン2021のエントリーについては、以下の記事を参考にしてください。
最後に
京都マラソンは正直タイムを狙うには適さない大会ですが、景観は素晴らしいので純粋に京都の雰囲気を楽しんで走るにはかなり良い大会です。
ゴール後にはおつかれさま広場でおもてなし屋台やマッサージ、足湯などがあるのでそれらを楽しめるので、興味があるランナーはエントリーしてみてはいかがでしょうか。